2011/10/29
愛の物語♪
雨 飾 山
(妙高周辺エリア)
全山行 259回
標高 雨飾山 1963,2m
天気 ぴーかん晴れ♪
山行時間 7時間
〈コース〉自宅(12:50)-雨飾高原キャンプ場(4:30-6:00)-ブナ平-笹平-
山頂(10:00-11:00)-笹平-ブナ平-雨飾高原キャンプ場(2:00)
露天風呂-雨飾荘風呂-鎌池(P泊)
「雨飾山には二度行って二度とも山頂に立てなかったが、越後の方へ
引き返す途中から振り返った二つの耳は美しかった。
左の耳は 僕の耳
右は はしけやし 君の耳
そんな詩が浮かんだのに理由はあるが、それは言えない。」
これは奥様と結婚前に 深田久弥先生が一緒に登った雨飾山の思い出
を綴った「二つの耳」の終節であ~る。。
はしけやし(いとおしい)君の耳、しかも「それは言えない。」と結んだ。
数年後、ふたりはめでたくゴールイン♪
この詩は 深田先生の愛の讃歌なのであ~る。
三度目のチャレンジでふたりは山頂を極め、名文句を残している。
すべての頂には憩いがある
なんて ロマンチック♪
この文を読んだ時 身体が震えた
人間 若かりしころの ドキドキやラブラブは 夫婦となり年齢を
重ねると忘れがち。
ラブラブだった時代も遠い記憶となり 結婚生活もいつの間にか
お互い空気のような存在となり トキメキはどこへやら?
そんなことじゃいかん!
深田先生が 三度目でようやく立てた山頂は 愛する妻との思い出。
なんか ひとちがっちと似ていると思った
そうだ!
ひとちがっちも 忘れかけている
恋心 を取り戻そう♪
実は ひとしさん、大学時代に富士山に三度チャレンジしたが
山頂に立つことができなかった
一度目、天候の悪化で 八合目で下山・・・
二度目、これまた 天候の悪化で あえなく下山・・・
三度目、駐車場がコミコミで 四合目からの登山、六合目で断念・・・
そして とうとう ちがこさんと四度目のチャレンジで山頂に立つことができた
これが
富士山発♪ ひとちが凸凹ライフ の始まり・・・
富士山は 愛を誓った ふたりの思い出の山だから
深田先生は こうも語っている。
「山は心を後に残す方がいい、といった人がある。
一ぺんで登ってしまうよりも、幾度か登り損ねたあげくようやく
その山頂を得た方がはるかに味わい深い。
私にとって雨飾山がそれであった。」
先生にとって雨飾山は
久恋の頂 だったのであ~る
行くっきゃない!
深田先生が 愛を誓った山に なんとしても登ってみたくなった
ひとちがも もう一度 あの日に帰ろう♪
駐車場に到着、日の出までには時間があった。
たくさんの車の中で 登山者たちが夜明けを待っている
紅葉期はたぶんコミコミ、駐車場だって そんなに簡単に停められない。
早めに到着した ひとちが、車の中でシュラフに潜り込み1時間程爆睡
ZZZZZ。。。
ぢゃなかった
爆睡していたのは ちがこさんだけ
ひとしさんは 輝く北斗七星、宝石をちりばめたような美しい夜空を
満喫していたようであ~る。
(あはははは。)
朝日が昇った
天気予報以上に天気はよさげ
さぁ~てと 出発だぁーっ♪
(イエーっ)
紅葉も終盤、っていうか ほとんど登山口から上は枯れていた
ちょびっとだけ期待してたけど やっぱり遅かった。
木道の平坦な登山道、沢には清らかな水、魚が泳いでいるのを確認
所々に遅い紅葉をしている木が ひとちがを歓迎してくれているようだ
木道が終わると そこからはジグザグに灌木の急登が始まる
なかなか険しい登山道。
ナナカマドが赤い実だけを残し 鳥たちに食べて下さいと言わんばかりに
自己アピール
うが うが うが うが
どんどん登る
ブナ平に到着、大きなブナが葉を落とし フカフカの山斜面は茶色い
ジュータンのようであ~る
カサ カサ カサ・・・
雨が降ってるわけでもなく、落ちる枯葉の音?
ブナの林は 意外と賑やかなのだ。
?
何の音なのか わからない ちがこさん
キョロ キョロ 辺りを見回すけど やっぱりわからない
(後で音の犯人がわかったよ。)
うぎゃぁぁーーーーっ↓
大声で叫ぶ ちがこさん
何故かって?
登山道が ヌカヌカだからだよ!
ハンパぢゃない
固めの ぬかみそに 野菜を入れすぎて水が出た ぬかみそ状態の登山道
一歩間違えば くるぶし以上に登山靴がウマる
(ここは万年 泥濘状態だそうな・・・)
あ゛――――っ↓
なんとかなんないわけぇ~っ?
一年を通して ず~っとヌカヌカなんだから仕方ないじゃん、ちがこさん。
我慢して歩きなよ
そういえば・・・
登山口のトイレの前に ホースとブラシが置いてあった。
ついでに張り紙で
トイレに入る時は靴を洗え と
ははぁ~ん、こういうことね
荒スゲ沢を渡る。
樹林帯から展望地に出た。
布団菱(フトンビシ)の迫力ある景色が
どかーん と広がる
うぉぉぉぉーーーーっ!!
かっちょいい!
急登は続く、汗がダラダラと額を流れ サブいかと
ニット帽を
持参してきたが大ハズレ
かぶるものがない・・・
お日様は ジワリジワリと帽子なしの ひとちがを痛めつける
「だから私が フツーの帽子にしませんか?
って言ったじゃないですか」
ひとしさんが 後方から口をとんがらせて ぶぅぶぅ言う。
「だってぇー、白馬の時はフツーの帽子で エラくサブかったんだもん。
こんなに天気いいと思わなかったしぃー」
半ベソ気味の ちがこさん
見上げれば、雲ひとつない青空♪
気温も高く 秋晴れという言葉が ぴったしじゃん。
振り返れば 妙高・戸隠方面の山々がシルエットになって美しい。
持ってこなかったものは かぶれないんだから、帽子なしで歩きなさい
はい、はい そうですな
ヤセ尾根のガレ場のトドメは 連続梯子
(うぇ~っ)
登りきれば笹平であ~る。
がんばれぇーっ!!
うが うが うが うが
日本海が見える、どこまでも水平線が続いている
キャンプ場に停めた車が光っている、きっと駐車場は今頃満車に
違いないね ひとしさん
ポンと出た稜線、そこわぁー、笹の青い海が広がっていた
笹平に到着。
(やったぁー)
笹の海の先に見えたのは ふたつの耳の山頂
でもね、あんまり耳らしくない
二つのピークの間は狭く、稜線上からではわかりにくいのだよ。
(あはは。。。)
すれ違う登山者がアドバイスをくれた。
「この先、アイスバーンの坂がありますから注意して下さい。」
げっ↓
軽アイゼン忘れた。。。
おっかなびっくり凍った登山道を慎重に歩く
なんとか登りきった。
(ほっ)
ふりかえれば 紅葉が ちょびっと残る荒スゲ沢
新潟の町が小さく見える。
そして日本海・・・
最後の急登を登りきると 北峰、そこには四体の石仏と祠。
むかぁ~し、昔、羅漢上人が刻み 担ぎ上げたといわれている
そうであ~る。
(ふ~ん)
どの石仏も新潟側を向き 可愛らしい円石に刻まれた阿弥陀三尊・
大日如来・薬師如来・不動明王であった。
(うん、うん)
景色はどうかって?
見たい?
見たいでしょ?
じゃ じゃぁ~~~ん!!
火打岳方面
白馬三山方面
笹平の登山道
笹平の先には 火打岳の勇壮な姿、先日登った白馬三山を存分に
眺めることができる最高の展望地
ぴーかん晴れの秋空に 360度の大パノラマは素晴らしかったね
ひとしさん
風は冷たかった
深田先生が愛した雨飾山、恋心で幸せいっぱいだった山頂
ひとちがも ラブラブの時代に戻ろう♪
ひとしさんに くっつこうと思った
が、登山者が多すぎた
(あちゃぁー)
そんなことしてる場合ぢゃない!
一刻を争うのだ
次々と山頂を目指して這い登ってくる恐ろしい数の登山者
もたもたしてると山頂は満員御礼になる。。。
急げ! 急げ!!
北峰から30m程しか離れていない南峰に向かう
三角点と山頂標識、そして
うじゃうじゃと山ランチしている
登山者を縫うようにして記念撮影だけした
あはは。。。
ゆっくりしてられませんな こりゃ
ひとしさんと 愛を分かち合おうと計画していた ちがこさんだが
無念にも そうさせてはもらえそうにない
横を見れば コミコミの山頂に やや不服気味の表情の
ひとしさんがいる
(あらら)
左の耳は 僕の耳
右は はしけやし 君の耳
耳の両側に立って そっと愛を分かち合おう♪
一緒に山頂に登れたこと、世界中で一番幸せなふたり
北峰 ちがこさんの耳 南峰 ひとしさんの耳
ひとちが 大・大・大満足!!
更に登山者が続々と登ってきたので退散することにした。
よかったね ちがこさん
深田先生の愛するお山を登ることができて!
(うん、うん)
耳がどんどん小さくなる。
ブナ平にさしかかった。
朝と同じように
カサ カサ カサ・・・ 音がする
「うぁぁぁぁーーー、虫が、虫が首に落ちてきました!
早く取って下さい」
ひとしさんが悲鳴を上げた!?
どれどれ・・・
頭と首の間に下げていたタオルに黒い虫
ぢゃなかった、木の実?
ははぁ~~~ん、
カサカサの正体は ブナの実が落ちてきた音だったんだ
小さな三角形のブナの実は すえたろうさんが教えてくれた。
落ち葉をストックでよけると 落ちたばかりの実が たくさん出てきた
きゃぁーっ!
収穫しなくっちゃ!
大急ぎで しゃがみこみ 実を拾い集める ちがこさん
すえたろうさんが ブナの実はすごく美味しいって教えてくれたからだ。
下山は中断して ブナの実拾いをしたかったけど ちょっとだけ拾って
帰ることにする。
朝は映えなかった紅葉も、帰りは青空に紅葉の最後を飾る
もみじが赤い色を輝かせていたよ
登山口に到着、小谷温泉 雨飾荘の横にある露天風呂まで車で移動。
途中、ふたつの耳が仲よく並んで見えるポイントを見つけた。
下から見る方が 耳は仲良しに見えたのは ちがこさんだけかな?
露天風呂は雨飾荘から歩いて3分ほどの林の中。
残念ながら 撮影禁止なので入口の写真しかありません
男風呂・女風呂、それどれ脱衣所があり 大きな木箱が置いてありマス。
入浴料は寸志とのこと。
もちろぉ~ん、しきりはありますよ、でもね、上にある女風呂からは
しきりごしに 裸のおっちゃんがウロウロしているのが
丸見え ですわ!
(あはははは。。。)
新緑の季節や 紅葉期はコミコミだそうですが、本日は数人だけ
少し熱めの透明のツルツルした重層泉、武田信玄によって発見され
武士の湯治場だったそうな。
はっきり言わせてもらうと コミコミじゃなかったら
五つ星の露天風呂
嬉しいことに女風呂からの景色は 紅葉が素晴らしい
綺麗に清掃された岩風呂、ホント快適です
懲りずに
雨飾荘のお風呂にも入っちゃいました
入浴料は500円、露天風呂と同じ泉質です。
ウワサではお食事も美味しいとか?
季節を変えて訪れてみたい温泉でした。
うひ!
せっかく 小谷まで来たんだからP泊しちゃいましょうと
お風呂の後は
鎌池に移動
ここもまた紅葉のメッカ。
が・・・
やはり紅葉はすでに終了、やや暗くなった鎌池には ほとんど人影もなく
(はぁ、、、)
うはははは いいの! いいの!
そんでも池を一周しましょうか
(まだ遊ぶのかい?)
*池の周遊コースは平坦ですがペンペン草履では歩きにくいです・・・
ペンペン草履のまんま 池を散策、一周30分程の周遊コースは
冬が近づく豪雪地の晩秋の姿だったかも。
池に映る山の姿 なんとも寂しげで
でも 美しかった・・・
黒文字 と名前のつけられた名水も なかなかのお味でした
駐車場の前には ブナ林亭というお蕎麦屋さんがあります。
夕方になり店が閉まっても トイレは自動点灯の水洗、
水場もあるのでP泊するには最高
だぁ~れもいない駐車場、静かな山の池のほとりで
ぐっすり眠れた ひとちが
帰りの道沿いからは クリスマスツリーみたいな紅葉が綺麗だったよ
今週も 楽しかったね ひとしさん
ふたつの耳の山、それは愛を再確認できる 可愛らしい山でありました
(うひひ。)
拾ってきたブナの実はどうしたかって?
もちろん フライパンで煎って食べてみたよ
香ばしくて なんともいいお味♪
また 拾いに行こうっと
(うはは!)