2013/2/16
伊那谷のこびとじいちゃん♪
烏帽子ヶ岳
(南信州エリア)
全山行 343回
烏帽子ヶ岳の情報はこちら
標高 小八郎岳 1470m 烏帽子ヶ岳 2194.5m
天気 ピーカン晴れ
山行時間 10時間
〈コース〉自宅(4:00)-駐車場(6:40-7:00)-鳩打峠-登山口-分岐-
小八郎岳(8:00-8:20)-分岐-烏帽子岩-山頂(1:30-2:00)-
分岐から巻き道-登山口-鳩打峠-駐車場(5:00)
*無積雪期なら烏帽子ヶ岳までピストンで6時間半
小八郎岳までのピストンなら2時間程度で山歩きできます
冬季、雪や凍結で鳩打峠まで入れない場合があるので注意!
知らぬが仏
まさに この言葉がピッタリだったかも
サラ雪の急登
ラッセル地獄・・・
第一話
三連休は南信州の山を歩くことにした
里からも近い展望のいい山を歩こうってわけ
その中で一際目を引く山があった
ガイドブックに雪化粧した
ピラミダルな山
烏帽子ヶ岳
このお山、中央高速 松川インターからほど近い
全国的には あまり知られていないと思われるが
地元の松川では一目置かれている山なのだ
駐車場のある鳩打峠まで車で行くことができれば
なんとか登れるんじゃないかと いつものごとく安易な計画で
ちがこさんは
初日の山 と決めた
駐車場のある鳩打峠まで車で登っていく
林道にはゲートもなく特に問題なかった
でも 雪はある
登れば登るほど雪は多くなっていく
標高900mの峠まで車で入れるのか?
(はぁ。。。)
タイヤの跡がありますね
ハンドルを握る ひとしさんが まだ通過したばかりの
タイヤのわだちを発見
タイヤの跡が細いから軽自動車だね
きっと山に入るくらいだからジープかも
この時点で先人の車の痕跡がない場合、ひとしさんは
林道を登るのを拒否したに違いない
(
八紘嶺の時の林道がトラウマになっている)
ありがたいことにタイヤの跡は
迷うことなく鳩打峠に向かっていた
よかった よかった
チェーンをつけることもなく進んでいくと
林道スペースに車を発見
中には小柄な白髪のおじいちゃん?
もしや?
おはようございます
峠までは車は無理なのでここに停めました
登山口までは遠くないですよ
そうなんですか
どちらまで今日は行かれるんですか?
予定では念丈岳でテン泊です
えーっ
テン泊ですか?
はい
今日は新月なので星空を眺めながら
山に泊まります
念丈岳とは烏帽子ヶ岳より更に深い位置にある山
中央アルプスの前衛の山なのだ
スゴい じいちゃんがいるもんだ
じいちゃんは 大きなザックを背負って
ゆっくりと登山口へ向かっていった
ひとちがも出発だ
じいちゃんの足跡を追って林道を登っていく
(うりゃ)
空には雲もなく
風もなく絶好の山日和
(うん、うん)
峠には広い立派な駐車場があったけど
雪が積もって車で入るのは無理
手前のスペースまで車で登れたのはラッキーだった
ん?
ねぇー ひとしさん
おじいちゃんの足跡 間隔狭くない?
あの人 こびとじいちゃんかも!
先日、
山梨の春日山にも出没した
こびとじいちゃん
信州にもいた
重いザックを背負って雪道だから歩幅も
自然と狭くなるのだろうか?
たぶん違うと思うけど
登山口に到着
案内板を挟んで登山道が分かれているけど
どちらを選んでもすぐ先で合流する
雪の締まった登りやすい雪道を登っていく
カラマツと笹の登山道はよく整備されている
うが うが うが うが
林の間から この山並みの中でも一番標高が高い
池ノ平山が顔を出していた
(わぁ~ぉ)
実に立派な山容
このお山には合標がつけられている
分岐から 小八郎岳のコース
烏帽子ヶ岳のコースに分かれている
小八郎岳を 登らない手はない
(そうだ! そうだ!)
少し進むと ちょっとした展望地♪
あれ? こびとじいちゃんだ
先が長いから 一休み
何度もこの山に登ってるけど なかなか天気に
恵まれなくて冬にテントできなかったからね
目の前の伊那谷と南アルプスを
眺めながら眩しそうに眼を細めていた
帽子から長く出た髪と白髭が
キラっと光った
やっぱり こびとじいちゃんだ
ちがこさんは嬉しくなった
小八郎岳に登ろう
青い空が近づいている
階段を登りきると そこは広い山頂だ
大きな東屋もあり 目の前は伊那谷を一望できる
踏み跡のないサクサクした山頂を歩きまわった
大きな石塔がある
後ろには これから登る烏帽子ヶ岳の姿が
あまりの素敵な景色にしばし足を止められ
今日の山頂はここでもいいかなぁー?
なんて思ってしまった
(あはは!)
小八郎岳を下るといよいよ 烏帽子ヶ岳への
登りに突入する
この時点で
3合目だから先は長い
(はぁ)
いきなり始まる急登
雪がズンズン深くなっていく
トレースはほとんどなく こびとじいちゃんは
ひとちがの後方、赤テープを頼りに進む
うが うが うが うが
4合からはラッセルが始まった
ふくらはぎ程度の雪だけど
サラサラな上
急登
ハァ ハァ ハァ ハァ
5合に入ると細尾根に雪が溜まり 膝丈くらいまでウマル
右は雪庇、左は林の急斜面 どちらに落ちてもイヤな感じ
歩きにくいのを がまんして真ん中の
深い雪を踏んでいく
ズボ ズボ ズボ ズボ
ともかく歩きにくい上
ハマる ズボる
大きく烏帽子ヶ岳の山頂が見え始めた
山頂まで到達できるのだろうか?
(はぁぁぁ。。。)
6合に入ると
バカ急登
トラバースするようサラサラの深い雪斜面を
必死に登っていかなきゃいけない
(ふぇ~ん)
ハァ ハァ ハァ ハァ
赤テープに向かって進みたくても
雪の壁に阻まれ なかなか思う方向には進めない
そしてまた細尾根のジェラードが待っている
この繰り返しだ
辛いラッセルを励ましてくれるのは
林ごしの景色
ようやく
セキナギの頭と呼ばれる
7合の分岐に到着
(ほっ)
あ゛ー
じかれた
ホッとしたのもつかの間 更に急登をひと登り
景色はいいけど
落ちたらコワい崖っぷち
恐ろしい程 急斜面のトラバース
ロープはあれど あまり役には立たないような
雪が多いかと スノーシューを背負ってきたけど
あまりの急登、急斜面も多いので 雪が深くとも
スノーシューは使えない
(重いだけでしたな)
12本爪のアイゼンも サラサラの雪には役立たず
気休めにしかならなかった
山を這い登っていく
サラサラと雪が崩れ つかみどころのない山は
どうにも こうにも 前に進めない
蟻地獄のごとく 滑り落ちれば林の中を
どこまで落ちるのかわからないようなトラバース
進む方向さえ なかなか決められない
危ない!
山斜を ひとしさんが落ちかけた
背中を冷たいものが走る
危機一髪
あ、あぶなかったですぅー
木にひっかかって停止
8合目を通過
気をとりなおして 再びラッセル開始
ここまで ひとしさんがラッセル隊
(がんば)
ハァ ハァ ハァ ハァ
も もう 足が動きません
まかしてぇーっ
ちがこさん出動
目の前の雪の壁をキックステップで
一歩一歩登っていく
ハァ ハァ ハァ ハァ
あれ?
赤テープがあんなとこについてる
立ち止まり 進むべき方向を
うじゃうじゃ話合う ひとちが
遥か下から 声がした
違うよぉ~っ
そっちじゃないよぉ~っ
下がらないで 尾根に向かって
上がってぇーっ
あららん?
ありゃ こびとじいちゃんだ
じいちゃん ひとちがの後を ゆっくり登ってきた
ラッセルは若いもんに任せているらしい
(あは。)
ふぁ~い
こうなったら意地でも尾根に出なければ
とおもいつつも
ちがこさん 役立たず
あえなく挫折
チーン
再び ひとしさんがラッセル隊
休むことなく 急登ラッセルを続ける
山斜面のトラバースやら 雪のついた大岩越えやら
難関をクリアし ようやく9合目に到着
あ゛ー
大変・・・
ようやく明るい開けた場所に出た
烏帽子岩の直下であ~る
この先は岩場だ
巻き道もあるが 岩を登るコースを選んだ
(うは!うは!)
やめときゃよかった
見た瞬間 そう思った
目の前には雪で凍りついた鎖
足の架け場のない大岩がある
どうすりゃいいの?
意を決して 枯れ木にアイゼンをひっかけて
身体を持ち上げる
折れたら
一巻の終わり
うわわ!
岩の上は平だけど つかむものがないよ
お尻押しましょうか?
ま、まって
右側は発達した雪庇、左は急斜面の岩場
どっちに落ちても死んじゃうから
ストックを短く持って斜めに岩の上の雪に刺す
滑れば後ろにひっくり返るかも
横を見れば
いい景色♪
って 見てる場合ぢゃない
這いつくばって岩をなんとか登った
ひょぇぇぇ。。。
コワかった
ひとしさんも続く
あ゛ー
コワかったですぅー
生きた心地がしないとは このことか
ようやく足が地に着いたような気がした
岩の上に腰掛け 景色を楽しもう♪
すぐ先には山頂が
その横には池ノ平山
そして目の前には 伊那谷と南アルプスが
た 大変だったよね
ひとしさん
いやぁー
まいりました
といいつつも笑顔でいっぱいの
ひとちがであった
おーい
岩の横から声がした
こびとじいちゃん ワカンを履いて
巻き道から登ってきた
こっちは やたら大変だよ
帰りも岩を下った方がいいかも
えぇえぇぇぇ?
たぶん・・・
巻き道の方が安全かも
あのコワい岩場をまた下るなんて
到底考えられない
先に山頂に向かった じいちゃんを
追っかけて ひと登り
小さな山頂に 三角点
そして 中央アルプスが待っていたよ
越百山・南駒ヶ岳・仙涯嶺
ブラボー♪
こびとじいちゃんは この山の常連さん
山頂から見える山々を丁寧に教えてくれた
中央アルプスはテン場がないので 夏はシュラフだけで
寝ることも多いんだとか
この時期 この山にくるのは
物好きだけだよ
そうなのぉ~っ
知らぬが仏
またしても ハードな山を
選択してしまったような気がする
今日は星を見ながら ここでテントを楽しむよ
念丈岳までは無理だから
笑いながら じいちゃんが言った
よかったよ こんなに雪が多いと思わなかったから
ラッセルしてもらって助かった
じいちゃん 満足そう
お気をつけて
さようなら♪
伊那谷の こびとじいちゃんに
お別れして山を下ることにした
岩を下らず巻き道を下ったけど
大変なことに大差なし
岩から落ちるよりマシか?
登山道には 安全道 と書かれていたけど
危険道 の間違えじゃ???
雪があっても8時間くらいで山歩きできるかと
予想していたのが10時間もかかっちゃった
(あちゃー)
駐車場に着いたのは5時
暗くなる前に なんとか下山できた
初日から すごく大変な山歩き
もうヘロヘロ・・・
でも 楽しかったね
はい 楽しかったですぅー
明日も もちろん山に登る
どこに行ったかは 次のブログでのお楽しみ♪
本日の立ち寄り湯
信州松川温泉
清流苑
地元のお客さんが多い温泉だよ 400円なり
本日の車泊地
むらやま公園
子供の遊具がたくさんあります
綺麗なトイレが24時間使用可
高速が上を通ってるけど意外と静かだよ
二日目の山歩きはこちら
最終日の山歩きはこちら