迷子の行方?

ひとちが

2014年11月13日 18:47

2014/11/13

家庭内事件簿・・・
監禁


ある日の事
ちがこ捜査官は自宅パトロールに出た

最近 怪しい行動をしている
すえたろう本部長を調査するためだ






秋になり木の実の落ちる季節となった
毎週のように たくさんの迷子を拾った


本部では帰宅すると迷子はすべて本部長が
お世話する係りとなっている


迷子たちを引き渡すと いそいそと無言で
二階へ姿を消す本部長


通常なら秋の迷子たちは
もしくは裏の倉庫に保管されるはず



本部長は二階に上がるとしばらく
ゴトゴトと音をたてて何かをしている気配


怪しい 怪しすぎる・・・
迷子たちはいったいどうなったんだろ?



すえたろう本部長と ちせこ副部長のふたりが
病院めぐりをしている間に 潜入捜査を行うことに


二階のふたりの部屋は整理整頓され
一見怪しい様子は見受けられない


おかしいな
確かにこの部屋に何か秘密が
隠されているはずなんだけど



そう直感し ガラリと押入れの戸を引くと
そこには何も入っていない空間が


おや?
なんでここに物を入れないのかな?



じっと押入れの中を観察すると
おかしな事に気が付いた



押入れの奥のベニアの壁に取っ手のような物があり
微妙にベニアに隙間がある


怪しい・・・


取っ手を回すとベニアは
ギーっと不気味な音をたてて奥へ開いた


おお?
ここはもしかして秘密の部屋?



本部はフツーの築40年の古い住宅
新築当時は屋根裏部屋などなく
本部長が知らぬ間に部屋を増築していたのか


頭上は屋根なので這わないと奥へは進めない
暗い屋根裏にいったい何があるのだろう?




季節外れの扇風機 衣類の入った古めかしい鉄の衣装箱
その横を這いながら進むと 通路は右に曲がり続いている


屋根の梁の柱をまたぎ 頭をぶつけながら前進



通路の壁には ちせこ副部長の作品が吊るされ
その先は明るいのは何故?



どうやら本部長 本部の壁を取っ払い半透明のトタンを
貼って勝手に明かりとりにしたようだ


それにしても ご苦労なこった


感心してる場合ぢゃない 



誘拐された 迷子たちは
ここのどこかに監禁されているはず



一刻の猶予もない


辺りを見回すと ちがこ捜査官が子供のころ
確か見たことあるような過去の遺物が点在



うはぁー
ここにしまってあったんだ



他に 本部長が昔使っていたであろう
お仕事道具がごちゃまんと



ありゃー
裏の仕事場に置き切れない物が
ここにしまってあるわけね



感心してる場合ぢゃない 


恐ろしいのは 年季の入ったちゃぶ台に
本部長お手製の出刃包丁やキリなど
危険な物が並んでいたこと



ぬおーっ 
これで監禁した迷子たちを脅していたのか?



そして明りとりの陽当りいい場所には



ついに発見


10月・11月はまるで食糧集めのリスのごとく
大量のどんぐりや帽子を本部に運んだものの
その姿を見ることはなかった


すべてのどんぐりはここに収集されていたんだ



足の踏み場もないように並べられたどんぐりたち
圧巻




拾ってきた時より乾燥が進み
ちがこ捜査官が講師を務める学校でも
すぐ使える状態の物ばかり



どんぐり達に聞いてみた


大丈夫? 監禁されている時
嫌な事されなかった?



どんぐりたちが口を揃えて言った


ここ最高!
実割れしないし 身体の中の虫も出ちゃうし
カビないから居心地いいよ



ふ~ん
そうなんだ




本部長の怪しい行動は解明された


それにしても・・・
いつの間に屋根裏部屋作ったんだろうね?



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