ど根性登り!

ひとちが

2013年04月30日 19:01

2013/4/27

まさかのラッセル隊?
蝶ヶ岳
(北アルプス・常念山脈エリア)

全山行 357回



蝶ヶ岳の情報はこちら



標高 蝶ヶ岳 2677m
天気 雪・ブリザード
山行時間 6時間15分


〈コース〉三股駐車場(6:30-6:45)-三股(7:00)-力水-
まめうち平(9:30-:9:40)-蝶ヶ岳ヒュッテ(1:00)





天気予報は 
おもいっきり 晴れマーク 


中央高速をブッ飛ばし 長野道に入ると
なんと電光掲示板に 
トンネルの先は雨 と表示が


そんなバカな・・・







連休初日


嬉しいことにトンネルを抜けると
そこは雨だった


ありゃりゃ?
こんなはずじゃなかったのに



天気予報ちゃんと見てきたんですか?


う うん
おかしいなぁー



フロントガラスに叩きつける雨は
気合の入った 連休初日の北アルプス山行を
クジケさせる要因となった
(はぁ。。。)


高速を降り しばしマクドナルドで
時間をつぶしてみたものの
雨は一向に止む気配すらない
(はぁ。。。)

かえって ひどくなってきたような気がする
(はぁ。。。。)


どうする?


どうしますか?


うじゃうじゃ作戦を練るものの
ここまで来たからにゃ登るきゃない





ということで前日にゲートが開いたばかりの
三股までの林道を車で走っていく


標高が上がると雨は雪に変わった
テンションも上がる



きゃぁー
きれ~っ
 


いいですねぇーっ



駐車場に到着
すでに15台ほどの車がいた



ささっと支度を済ませ出発♪

ゲートの横から未舗装の林道を三股まで急ぐ
(よっしゃ)



降りたての雪はサラサラのパウダースノー
短い時間にかなり積もったのか
白く山の木々は雪化粧もとびきりだ
(よいですなぁー)


うが うが うが うが


今日は開いたばかりの小屋を使って山を歩く予定
素泊なので イッチョ前に荷物は重い


ひとしさんのザックは20キロ
ちがこさんのは10キロくらいかな?



そんなに重くないじゃん


いいの



登山口の監視小屋で登山届を出した


管理人のおじさんの話によれば
ここ近年この時期に こんな大雪はなかった 

ゴールデンウィークに入れば
三股に雪は全くないのがフツー だとか


なんか とんでもない日に登ること
になっちゃったみたいだね



そうですね
大丈夫でしょうか



トレースもあるし
きっと行けるよ



また始まったよ
ちがこさんの いいかげんな山計画




吊橋を渡ろう♪



アミアミの吊り橋からはこんな景色が見える
(うふふ)





五月の連休に雪景色
う~ん ステキ 


うが うが うが うが

しばらく進むと最後の水場



ひとしさんのザックには
水が2リットル お茶が5リットル 


これ以上は必要なしっと


足首ほどに積もった雪は 先人達に
踏まれているものの フカフカで山靴がウマル


でも アイゼンはまだ必要なさそうだ



なんとも可愛い ゴジラの木?

これぞ 白ゴジラ 



次第に傾斜がキツくなっていった

山をトラバースしながら標高を上げる
(がんば)



数名の登山者を追い抜いた

ひとちがの前には何名かまだ登山者がいるはずだ
トレースを追いかけて登っていく


うが うが うが うが



まめうち平に到着

雪は益々ひどくなり カッパを着らずにはいられない
(あららん)



そろそろアイゼン装着ですね
この先は急坂みたいですから



うん そうしよ



なんでこんな天気になっちゃったんだろ?
雨よりはマシだけど



ゆるやかな まめうち平から道は急登に急変した
膝丈までウマる雪道を先人たちが登っている



ズボ ズボ ズボ



ひと登りすると小さな標識が木についていた
またもや始まった急登
(ふぇーっ)



ザックの重さに ひとしさんが悲鳴を上げる


た 大変ですぅ
荷物が重いですぅ




山を斜めに登りながら トラバースして
急坂は延々と続いていた
(はぁ。。。)



休みたくても休めない
立ち止まるスペースなんてないのだ



沢筋の雪が溜まった斜面は特に怖い

春のサラサラ雪が表層雪崩となり
巻き込まれる危険大



急斜面についたトレースは 一足進むと
崩れそうで気が抜けない
(そう! そう!)


雪崩れることを予想して沢筋は渡りきるまで
順番に進むことにした



すでにストックでは進むことは危険
ピッケルの登場だぁ 

ぐさ ぐさ



雪の斜面に突き刺しながら慎重に登る



目の前に数名の登山者発見
なにやらペースが遅い?


きゃ!
遅いんじゃなくて ラッセルしてるんじゃん



あわわ!
ひとしさんぁ~ん
先頭さんに追いついちゃったよ



そうみたいですね
がんばりますか




おじちゃんたちが ものすごい勢いで
ラッセルしている


先頭さんは 平泳ぎみたいに
山にへばりつき這い登る


二番手、三番手は崩れ落ちた雪を踏み
形を整えながら登る


四番手、五番手は その踏まれた雪に
階段状のステップをつけていく


六番手、七番手、八番手ともなると
だいぶ登りやすくなるのだが 登りにくいことに
やっぱり変わりはない


ひゃぁー
すごいねぇー
 


って どうすりゃいいの
私たち



そりゃ ラッセル隊に混ぜてもらうしか
ないんじゃない?



そ そうだよね


ズボ ズボ ズボ



しばらく登っていると後ろで声がする


ちがこさん ちがこさん


ん?
どうしたの ひとしさん



あのぉー
もう疲れて登れません
ちょっと休憩してもらえませんか?



えーっ?
だってまだ先頭さんやってないよ


この時点で ちがこさん三番手
仕方なく山の斜面に転がってよけた
(あは。)


役立たずだねぇー


すいません



下から次々と おじさん達が登ってくる

みなさん大きなザックで歯をくいしばりながら
登っているのだ



ちょっと休んでまた登り始めた

ハァ ハァ ハァ ハァ


次々と先頭さんは脱落し、ラッセルの順番が
繰り上がっていく


あのーっ
みなさん どこぞやの
山岳会の人たちですか?



思い切って聞いてみた


いや みんな単独だよ
協力しあってラッセルさ



ほぇーっ
そうなんだ
ちがこさんも がんばろぉ~っと



俄然 気合が入った ちがこさん
おじさんの後ろにピッタリつけ
いつでもラッセルする気マンマンだ


三番手まで再び のし上がった



ところが・・・


ちがこさん ちがこさん
足が 足が・・・・



またしても後ろで声がする


まさか・・・
ひとち また脱落か?



もうちょっと がんばって!
あの上の赤旗まで行こうよ



またしても雪の急斜面に転がって
邪魔にならないようによける
(あは。)


おじさんの呆れたような顔が
チラリと見えた


もう笑うしかない 



二度目の脱落から ちがこさんの順番は
一気に六番手になってしまった
(はぁ。。。)


ちょっとぉーっ
これじゃ ちっともお役に立てないじゃん



すみません


先頭さんは 恐ろしい程の勢いで
山をへばりつきながら掘り進む
ハンパくない体力の持ち主


マケジと ひとちがも!



と・・・


ちがこさん ちがこさん


蚊の鳴くような小さな声で 
ひとしさんが叫んだ


もう 足がパンパンで登れません


えーっ!?

あえなく 三度目の脱落 


すみません




みんな行ってしまった
まだ本気の先頭ラッセルしてないのに
(はぁ。。。)



ようやく元気になった ひとち


がんばろっか! 



それ!
追っかけろ!




稜線に近づくと雪がブリザードに変わり
視界がどんどん悪くなっていく
(う~わ)


先の見えない急登を ラッセル隊が
ダンゴになって登っていく姿が 
影のように うっすら見えた


ハァ ハァ ハァ ハァ



死にもの狂いで登った結果
とうとう稜線に出た
(やったぁ)


で 結局 先頭ラッセルは 
ふたりともしなかったわけね



そういうこと


すみません





広い尾根は粒上の氷が横殴り 
ものすごい突風が吹き荒れている



こんな時 ゴーグルと目出し帽があれば


えっ?
持ってこなかったの?



うん 忘れた


必要な時に 
必要なものがない



バカだねぇー


教訓
高山に登る時は 春でも完全な冬装備を!





蝶ヶ岳ヒュッテに逃げ込げこむ

外のトイレは扉が凍り使えない 
小屋からトイレまで10mですら視界ゼロ


こりゃ
トイレ遭難しかねないですね



確かにそうかも


割り当てられたスペースは カーテンで仕切りも
できるので使い勝手がいい

濡れたザックを奥スペースも廊下にあり
ありがたい限り



ただし 寒い 



到着した午後1時からは 共にラッセルした
おぢちゃんたちと ストーブ番
(はぁ。。。)


小屋の外は 
荒れ狂うブリザード 


結局 夕方まで一歩も外に出ることはなく
延々とストーブの前で座談会

ラッセル隊のメンバーは さすが強者だったよ



お宅の奥さん やたら元気だねぇー


えっ
まぁ・・・



旦那さん 大変そうだったもんね


えっ
まぁ・・・





4時付近になると いつの間にか 
小屋は60~70人もの人で大賑わい


*この日は大雪で上高地方面の山は
登山規制が入り 登山者が流れてきたもよう




雪まみれになって小屋に着いた登山者を見ながら 
ラッセル隊の一員として がんばれたことを誇りに思う


私たちラッセル隊がいたから 
みんなここまで無事到着できたんだと


ということにしておこう


ん?
あんまり役に立っていなかったような
気がするけど・・・・



うるさぁーい




5時をまわると ブリザードはやんだ
夕日にアルプスが沈んでいく



小屋から山頂までひと登り
まだ強風が残る山頂標識の前で

はい ポーズ♪



今日は足止めされちゃったけど
明日は存分に山を楽しもう



どこを徘徊するかは 次回のお楽しみ



翌日の朝の山歩きはこちら
翌日の二座目の山歩きはこちら


あなたにおススメの記事
関連記事