中年の証明Ⅵ 前編♪

ひとちが

2014年10月16日 16:41

2014/10/11・12

すてきな秋山
立山
(後立山エリア)

全山行 425回



立山の情報はこちら


〈コース〉11日 扇沢(6:30)-トローリーバス-黒部ダム(6:45-7:00)-
内蔵助谷出合(8:00-8:10)-内蔵助平分岐(10:10)-内蔵助山荘(10分休憩)-
真砂岳(2:40)-富士ノ折立-大汝山(3:40)-雄山(4:00-4:20)-一ノ越山荘(5:00)

標高 真砂岳 2861m  富士ノ折立 2999m  大汝山 3015m 雄山 3003m
天気 晴れ
山行時間 10時間(休憩を含む)




まだ中年だからできる
やるべきことはやった

大満足





前編

始発のバスに乗ろうと大急ぎで
扇沢まで車をブッ飛ばした
 

すでに無料駐車場は満車 
36時間1000円 のお贅沢な駐車場に車は収まった


大丈夫かな?
明日の夕方5時までに
ちゃんと下ってこれるかな?



台風が近づいてるから お昼くらいに
下山する計画だし問題ないよ



そうですかねぇー
予定通りにいけばいいけど



なんとか始発のバスには乗れた
それにしてもすごい人の数



ハイキング風の服装の人が多いみたいだ



その中にヘルメットを装備した登山者がいるのは 
解禁となった下ノ廊下へ向かう人たちだろう
もしくは剣岳なのか?



黒部ダム駅で降車し 黒部川におりる出口に向かう



一般の登山者は これからケーブルやロープウェイを乗り継ぎ
室堂に向かうため駅員さんに反対方向へ誘導されていった

建物から外に一歩出ると 異様な雰囲気

山ヤ うじゃうじゃ 



九十九に下る登山道
まだ足元はうす暗く歩きにくい


足早で駆け下るように行くのは何故だろう?

素朴な疑問を抱きつつ
ノロノロと ちがこさんも坂を下る


後方で ひとしさんのブチブチが始まった

もっと早く歩けないんですか?



ひとしさんときたら ロングで大変な山を登る時
出発イッパツから 急いで行こうと焦るのだ


そりゃ~ ちがこさんは歩くのノロイですよ~
でもさ~ そんなに急がなくったって
コースタイムは怪我とか事故にさえ合わなけりゃ
たぶんフツーに目的地までは到着できるはずなんだけど



と心の中でムカつきながら
紅葉した黒部川の右岸をトコトコ歩いていく



岩に囲まれたような黒部川

圧迫感を感じながらも 美しい川沿いの紅葉に見とれ
ついつい写真を撮ろうと足が止まる


わ~ きれい♪



立ち止まるたびに後ろでブチブチ連発


いいじゃん 早く歩ける場所は
がんばって歩くからさ




ブツブツ・・・



見落としそうな小さな看板
山に沿って道は登っていた



見て 下にはたくさん人がいるね



すみません
山鈴を出してもらえませんか?



ひとち もう熊対策か 


内蔵助平分岐から小さな沢に沿って
標高を稼いでいく



少しもっさりとした道

迷うようなコースではないものの
人がいなくなると なんとな~く不安になる


見上げると大きな岩壁の巨人が
こっちを向いて挨拶しているように見えた


やあー ひとちが
よく来たね
 



最近TVでも巨人は紹介されていたので
巨人の近くはもっと賑わっているかと思っていた



誰もいない


沢沿いは大きな岩が多い
よっこら わっこら乗り越え進んでいく



大きな荷物・ヘルメット装備の登山者が
ノロノロとすぐ先を歩いているのが見えた


荷物重くて大変そうですね
単独だとクジけるでしょうねぇー



毎回クジけるのは ひとちくらい
だと思うけどね



いいんですぅー



今日は小屋泊だから荷物軽くてよかった
水場も多いから ひとしさんも楽ちんでしょ



まあね


道を譲ってもらい ズンズン先を急ぐ



今回の計画

初日に内蔵助カールを登り
立山三山を縦走し稜線上の小屋に宿泊


翌日は台風が来る前にできるだけ早く山を下るため
東一ノ越を黒部ダムまで下る



ということで チケットは「扇沢-黒部ダム」の
トローリーバス往復のみ



東一ノ越コースを下山ルートとして決めたのは 
万が一の時 ロープウェイやケーブルの駅がコースと
ほぼ平行しているのでエスケープルートに最適と思われた


ガイドブックなどを調べると東一ノ越コースは 
たおやかで緩いイメージ 危険もなく膝にも優しそう



逆に内蔵助カールを登るコースは険しく急坂の上 
人の通行もほとんどない


時間的にも体力的にも かなり苦戦するであろうと予想された


 
登りに使う予定のコースを ちがこさんの苦手とする下りに使えば
とても黒部ダムに時間通りに下山できるはずがない



台風の暴風の中 危険を伴いながら
必死で下るなんて まっぴらごめん

時間がかかっても大変でも
なんとしても内蔵助方向から登ってやる



これが ちがこさんが出した答えだった


私も賛成ですぅー



問題がある

内蔵助カール上部にある山荘はすでに休業中のため 
初日はなんとしても立山三山を通過し稜線上の
一ノ越山荘まで辿りつかなければいけないのだ



時間がかかる大変なコースを登った後で
更に山をいくつも越えられるのだろうか?




ひとしさんにも不安があった
いつものごとく計画はちがこさんにおまかせ 


しかし よくよくコースを地図で見ると

 
人は通らないわー 迷いやすいわー 
健脚向きとか 急坂とか


あまり見たくないような文字が並んでいた


私達小屋までたどり着けるのかな?


大丈夫だよ
最近登りがんばれるようになったから 
なるべく時間を稼いで登りきるからさー



がんばって下さい



橋を渡り沢を横断する



最後の水場で水を確保し 先にある分岐から
内蔵助平に入った



情報によれば この先はほとんど人が歩いていない

道標もあてにならないようなのでやや不安



ひとちがの地図は2010年製版
5年近くも過ぎれば山は大きく変化する


いい意味で 
踏み跡があって心配なし 目印がある 


悪い意味で
道が荒れて草ボーボー 廃道寸前 


果たして今回はどちらか?
じゃーん 答えは 前者 



不明瞭ではあるが 踏み跡もあり 黄色テープ・黄色ペンキ
大岩には小屋への案内と特に問題もなく通過していく



紅葉が進んだ内蔵助平をずんずん登った



景色がいい内蔵助平



しばらく見晴しのいい道を登っていくと
目玉おやじ発見



裏側に回ってみると 
地図に記載されている岩屋だった



岩の下部では雨宿り程度
岩の上では泊まれるみたいだよ




いったい誰が岩の上で夜を明かすのだろう?



沢は水が豊富で 最終水場で水を確保しなくても
いつでも水はゲットできた



この水って内蔵助カールから
融けだした水なんでしょ?



うん たぶんそうかもね



内蔵助平の右側には真砂尾根が走っている
沢には雪渓 大きなトンネルが口を開けていた



今時期は雪渓が一番小さくなる季節
あと数日もすれば山には雪が降り 
小さくなった雪渓は厚く大きくなっていくのだろう


沢の上部まで小尾根を登ると流れていた沢は
雪渓に変わった ここを右岸へ渡る



しばし ウロウロ沢の中を歩く



 
一番安全に渡れる場所から右岸へ移動



そこから先は急坂


水がしみ出しているような湿った苔が生える
足場のよろしくない岩を登りきると
樹木がなくなり明るい岩尾根へと変わっていく



さあ~
今週も登っちゃいますよ~




ロープのついた大きな岩を登っていく


おりゃぁ~っ 



時には木の助けを借りながら
後ろにひっくり返らないように岩に張りついて登る


振り返ると高度感抜群でコワい
安全な場所に到達するまでは振り返っちゃいけない



ハイマツが多い茂った場所まで登ればもう安心



いい景色ですねぇー
すばらしい紅葉ですぅー




大きな岩の上から登ってきたルートと
山々の眺望を楽しもう



進む方向を見れば そこには立山三山に続く 
内蔵助カール上部の稜線が長く続いている



すばらしい 
テンションアップ


ようやくカール内に突入
白い大きな石の上をピョンピョンとペンキマークを
確認しながら進んでいく



しばらくすると
ちがこさんが座り込んでしまった



ここまで7時間余り 登り登ってがんばってきたものの
両足の膝上の筋肉が攣ってしまい 足が痛くて一歩が出ない


足が痛いよー 


どうしたんでしょうね?
ミネラルが足りないのかも
歩けますか?



そういえば・・・
今日は山の水が美味しくて 
スポーツ飲料を摂取しなかった



ここまで秋とはいえ ダラダラと汗をかき
流れた汗が乾燥し顔が潮を吹いている


塩分補給をちゃんとしなくて 
夏場熱中症で倒れた時 もあったっけ



今回は足にきた


ヤバいですねー
今更ですがスポーツ飲料でミネラルを摂った方が
いいと思いますよ
このまま歩けなくなったら小屋まで行けませんからね



うん


大急ぎで ゴクゴク飲んだ


目の前に内蔵助カールが広がっている



あと少しで稜線に出られるのに


痛い足を引きずって歩くしかない
三歩進んでは座り 十歩進んでは座り


拉致開かないじゃん


仕方ないじゃん
痛いんだからー




雪渓が緩みグズグズと埋まりそうな
内蔵助カールを横断した



大変そうに見えた山荘までの道は意外とユルい



山荘は頑固に戸締りがされ冬支度
来シーズン小屋が開けられるまでは
利用されることもないだろう


稜線上からやや外れているため
通過する人もいないのか


小屋の前にあるベンチで休憩
気合を入れる



真砂岳は平たいのっぺりとしたピーク
緩やかに登ればすぐに景色のいいピークに到達できる



3時近くになると稜線上にはほとんど登山者の姿はなく
人もまばらな 夏山とは違う立山がそこにある



真砂岳方向から雄山方向へ向かう登山者は特に少ない


反対側からきた登山者は 
真砂岳手前の雷鳥平へ降りていく



稜線からは東西南北 360度の大パノラマ
今まで見ることのできなかった景色が広がっていた



向かう方向には そそり立つ富士ノ折立
立山はゴロゴロした岩の山



ようやく足の痛みも治まった
最後の急坂である山斜面をゆっくり登っていく


空は青かった
立山・剣・大日岳と雄大な景色が目の前にある



がんばりましたね
山腹の紅葉もよかったですし 
立山登った感が最高ですね



うん よかったー
足が動かなくなった時は どーしよーかと
思ったけど なんとか登れたよ



大型休憩所のある大汝山ピーク
もちろん休憩所も閉鎖



小さな社が岩の上にぽつんと立っている



あれが立山の山頂だね
立山って こんなにゴツゴツした山だと思ってなかったよ
もっと観光化された楽ちんなイメーだったしー




そうですね 私もそうでした
簡単に登れる百名山って甘くみてました




アルペンルートを使えば 簡単にピークは踏める

こんなに素晴らしい景色を気軽に見ることが
できるのだから混雑する乗り物を乗り継いでも
ここまで来るのは当然だと思った



反面 ケチが基とはいえ
自分の足で登りピークを踏んだ瞬間の達成感は 
登った人だけにしかわからない



まあ どっちもいいよね


うん また立山に来る時は 
年取ってヨレヨレで登れないかもね
そしたらやっぱアルペンルートかな



次回は温泉もね



まだ中年だからできる
やるべきことはやった


大満足



ゆっくりと山が暮れていく
小屋へ下ろう



今夜お世話になるのは 一ノ越山荘
150人収容の大型小屋だ 
稜線上にあるので温泉のない小屋
(10月半ばで今シーズンは終了)



秋は小屋が空いているので夏のシーズンとは違う 
のんびりとした雰囲気がいい


この日の宿泊者は30人にも満たなかった
個室の山小屋は快適でゆっくり眠ることができたよ



秋の小屋泊おすすめです



台風は今どこにいるのか?
山計画は順調にいったのか?



後編はこちら


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