2012/1/8
とうとう登ったどぉーっ!
赤 岳
(八ヶ岳)
全山行 274回
標高 赤岳 2899m
天気 ピーカン晴れ
山行時間 9時間25分
〈コース〉自宅(3:30)-美濃戸・やまのこ村(5:45-6:15)-南沢ルート-
行者小屋(8:30-9:10)-地蔵尾根-地蔵の頭(10:40)-赤岳山頂(11:30-12:00)-
文三郎尾根-行者小屋(1:40)-南沢ルート-美濃戸・やまのこ村(3:40)
うんぎゃぁーっ!
いつになったら出発できるの?
久しぶりにハーネスをつけた。
どこに足を通すのか忘れた。
美濃戸口からの林道を車でゆっくりと走る
ヘッデンをつけ、大きなザックを背負った登山者たちが林道を
ひたすら歩いていた。
やまのこ村の駐車場に到着、小屋は6時からの営業のため
車内で準備する ひとちが。
すでに駐車場には たくさんの車、さすが人気の八ヶ岳
コン コン!
車のガラスを叩く音。
早目の出発に協力しようと駐車料金を わざわざ徴収しに
きてくれた小屋番さん
おはようございます。南沢ルートを歩きたいのですが
大丈夫でしょうか?
予定では・・・
冬場の一般ルートとしてよく紹介されている北沢ルートを
歩くつもりでいた。
時間が早く ヘッデンでいきなり樹林帯に入るより 林道歩きは長いが
北沢ルートの方が安全と考えたからだ。
現実、赤岳までを日帰りで、それも雪道となると時間は余分にかかるはず
足の遅い ちがこさんを連れての長時間の山歩きとなると
少しでも時間は はしょりたい
大丈夫ですよ、トレースも しっかりついてますからね。
小屋番さんの一言で 不安だった南沢ルートから行者小屋を
目指すことにする。
(よっしゃ)
美濃戸山荘から南沢ルートをとる。
気温、マイナス15度
まだ暗い山道は ヘッデンをつけても微妙に見えにくい
っていうか、他の登山者のヘッデンに比べて ひとちがのは明るさに
欠けていた。
(ぶぅ)
LEDライトと、60ワット裸電球くらいの差
ダメだこりゃ!
ズンズン歩く
うすぼんやりと辺りが明るくなってきた。
登り始めて20分もすると ヘッデンは必要なくなった。
(よかった よかった)
夏場とは違う景色の南沢ルートを登っていく。
前にも後ろにも登山者がいる。
沢は凍り、所々スケートリンクのような 分厚い氷の張った
登山道を越えていく
(ふぇーっ)
シラビソの林は雪が降り積もり白い世界が続いた。
登山道は小屋番さんが言っていた通り、トレースがしっかりあり
迷うこともない。
後方の ひとしさんはゴキゲンだ
八ヶ岳はいいですねぇー、登山者がいて安心です。
お天気もよさそうだし がんばりますかぁー
と ここまではよかった
ようやく足元もしっかり見えてはきたものの、いつものごとく出だし
歩くのが遅い ちがこさんを後方から つっつき始めた
(始まっちゃいました ちがこさんイジメ)
ペースがおちてませんか?
ん?
そう?
もうちょっと早くあるけませんか?
ん?
無理!
なんで早く歩けないんですか?
ん?
だってよく足元が見えなくて歩きづらいから。
そうなんです、ひとしさんは一刻も早く樹林帯を抜けて
行者小屋に到着したいわけ
危険な森林限界からは どの位時間がかかるかわからない。
まだマシな小屋までの樹林帯をとばしたいってわけだ。
(はぁ、、、)
わかりますよ、わかりますけどね
早く歩けないもんは 歩けないんですぅ
後方の登山者に道を譲り ずんずん遅れていく ひとちが
だって昔っから 歩くのノロいんだもん
ちがこさん しょぼん↓
ようやく右岸の斜面を高巻いて沢床に降り立つと河原が開け
山が見えてきた。
(わぁ~い)
シラビソの林を抜けると行者小屋であ~る。
小屋の前のテン場には無数のテント
うがぁーぁ!
こんなにサブくてもテントですか?
そして小屋付近には ゴッツイ装備で身を固める登山者の群れ
すご!
小屋は正月の営業を境に春までお休みだ。
シャッターの閉じられた小屋の前にザックを下ろし
マケズに ひとちがも支度する
が・・・
冬用のぶっといグローブでの作業は困難で ちっとも支度が進まない
うんぎゃぁーっ!
いつになったら出発できるの?
久しぶりにハーネスをつけた。
どこに足を通すのか忘れた
でっかいアイゼンを装着しているため ハーネスに
なかなか足が通らない
もた もた もた・・・
グローブをとれば 気温マイナス20度の恐ろしい寒さの中で
指先は凍り 作業は遅くなるばかり。
(あちゃぁー)
装備を万端に、ハーネス、簡易ロープ、ヘルメット、
目出帽、ゴーグル装着
ここからはピッケルが登場であ~る
やっと出発できる
一時間近く時間をロスしてしまった・・・
と ここで またもや問題が
実は危険を避けるため この先は文三郎尾根をピストンで
山頂まで行こうと計画していた ひとちが。
所がなんだか様子が違う。
皆さん 地蔵尾根方向に向かう人ばかりなのであ~る
(あらら)
どうする?
どう考えても 地蔵尾根の方が時間は短い。
トラバースする露岩の鎖場は 恐怖ではあるが 下山時に使う
より登りに使う方がいい。
それに できればピストンぢゃなくて周遊したい。
(そう!そう!)
どうする?
しばし顔を見合わせ迷った
が、ちがこさんは ずんずん地蔵尾根の分岐に向かう。
ひとしさんの返事を待ってたら日が暮れちゃいますからね
(うへへ!)
稜線へ突き上げる地蔵尾根にとりつく
樹林帯がシラビソからダケカンバに変わると露岩の鎖場だ。
数名のパーティーが ひとちがの先を行く。
?
撮影?
ビデオカメラで撮影中のようであ~る
お邪魔しないように追い越して ツルツル滑る鉄パイプの
階段の手すりにつかまり、少々邪魔なぶら下がったピッケルを
引きずりながらステップを登って行く
ひょぇぇぇーーーっ
す、滑るぅー・・・
なかなかの急登
手すりが滑ってコワイ
森林限界を超えた景色は素晴らしかった
思わず ひとしさんも声を上げる。
中岳、阿弥陀岳
行者小屋方面
ともかく一生懸命登る
手を放したら一巻の終わり・・・
誰が何と言おうと 手だけは放しちゃダメなのだ
尾根の中腹にあるお地蔵さん。
今日の山歩きが無事でありますように♪
心を込めて祈る
標高が上がるにつれて 景色は更に素晴らしいものとなった
赤岳
進むべき赤岳、阿弥陀岳、中岳 手前には おまけに
ちがこさんの大好きなジェラードが♪
(うひ♪)
さぁ、がんばって登りますよぉーっ!!
うが うが うが うが
キビシーっ!
うが うが うが うが
後ろを振り返れば ひっくりかえりそうな
うが うが うが うが
やっと出た!
地蔵の頭の分岐に到着
ちがこさん、放心状態・・・
ち、ちかれた。。。
ヤセ尾根を歩く。
頭上には赤岳、後方には横岳の ゴジゴジの姿
そして横岳の後ろには 2日、ブリザードの中を登った硫黄岳
赤岳
横岳
富士山だってこの通り
すご~~~い♪
風が強くなった
展望荘の横を通過、いよいよ赤岳最後の急登に突入!
(うりゃ)
登山者が多い
赤岳山頂から 地蔵尾根を下る登山者、横岳に向かう
登山者たちが下ってくる。
がんばれぇーっ!!
うが うが うが うが
登山者とすれ違うたびに どちらかが道を譲る
大抵は登りが優先なので 下山者が待つことになるのだが
ちがこさんは ありがたくなかった
だって 登るの遅いから・・・
一生懸命登る = 異常に疲れる
あまりのノロさに ひとしさんは先に行ってしまった
がんばって登らなくっちゃ
そう思いつつも なかなか先に進まない足
(はぁぁ。。。)
上部の鎖に おばさんが二人つかまっていた。
どうやってもすれ違いは無理。
待たせるわけにはいかない
ピッケルを左手に持ちかえた。
(これが仇となる。)
右手で鎖をつかみたいので 左手に持ちかえたピッケルは
利き手ではないので力が入らず 深く雪に刺さらない。
不安定極まりない・・・
もっとピッケル使って
頭の上で おぢさんが怒鳴る声がした
えっ?
早く登らなきゃ・・・
焦る ちがこさん
ようやく 冷ややかな目で見る ふたりのおばさんとすれ違う。
そして目の前にいた おぢさんに耳元で再び怒鳴られた
もっとピッケル使って
ご、ごめんなさい・・・
自分なりには がんばって登ったつもりでいた
確かに左手のピッケルの使い方はウマイとはお世辞にも
いえないことは わかっている。
(ぶぅ。)
でもさ、そんなに怒鳴んなくたって
ちがこさん しょげ しょげ。。。
がんばれぇーっ!!
半ベソで登っていく
ひとしさんも ちがこさんが怒鳴られるのを上から
見ていたようだった
とうとう北峰に到着
ここまできたけど なんだか 怒られてばっかいたような
まあ、いいです
でわぁー、お見せしましょう
本日の絶景でぇ~す♪
硫黄岳・横岳
蓼科山
阿弥陀岳
北アルプス
気温マイナス25度、お天気快晴♪
激サブ!!
口が凍ってパリパリして 話が上手くできません
目出し帽の口元を開けていた ひとしさんが叫ぶ
鼻水もツララになっている
(うはは!!)
そんでも 最高です
とうとう厳冬期、八ヶ岳の主峰に登れたんだから
南峰に向かおう
そこわぁー、カラフルな装備と服装の登山者が集う賑やかな山頂
やったね♪
ひとちが 大・大・大満足!!
権現岳、富士山、山裾に広がる八ヶ岳の牧場や村が見える
権現岳
富士山
下山ルートは文三郎尾根。
山頂直下は 危険であ~る
慎重に鎖とピッケルを使って下っていく。
こちらの景色もまた素晴らしい。
(うん、うん)
きゃぁーっ!
すごぉ~い♪
目の前には 迫力満点 阿弥陀岳。
次回は 是非とも登ってみたい。
(うん、うん)
危ない鎖場の下りが続く
見上げるとテカテカに光る登山道
風がなくなった。
無風状態?
あれほどサブかったのに文三郎尾根は 穏やかであ~る
次から次へと登山者が登ってくる。
地蔵尾根とは違い 比較的道幅が広く すれ違うのには困らない。
お腹がすいた。。。
パンをかじる。
げっ↓
凍ってるよ・・・
ここから先は アミアミの階段が続く
夏場は ブカブカとなんとも歩きにくい階段、冬なると一変する。
アミから雪が落ち 自然に雪の階段ができるわけだ。
でもね、所々アミが露出している箇所、これが危険なのだよ
そんでなくても でっかいアイゼンは爪の数が多い。
アミにひっかかり
こける可能性大!
慎重に下る・・・
ズボ!
ドテ!
あ゛――――っ
やっちまいました
尻餅で済んだ程度で よかったね ちがこさん
大丈夫でしたか?
上で声がした
見れば雪まみれになっている お兄さんが
さっきアイゼンひっかけて 転がり落ちました。
階段の切り替えの鎖に運よく引っかかって止まったので
よかったですが 危うく下まで滑落する所でした
はぁ、
そりゃ災難でしたな・・・
でも無事で何より、お互い気をつけましょう
行者小屋に到着。
ん?
朝よりテントが増えてるじゃん!
テン場には カラフルなテントが ごちゃまんと並んでいた
小屋の付近は 春のように暖かかった
風もなく快適♪
ゴッツイ装備をはずし 南沢を下山する
次から次へと まだまだ 大きなテントがはいっていると
思われるザックを背負った登山者が登ってくる。
さすが 人気の山!
コケないように慎重に沢沿いを下る。
時間はかかったけど 安全に楽しい雪山歩きができたね ひとしさん
美濃戸からは 朝見えなかった赤岳が 光輝いて見えた
きっと明日もいい天気
テン場の皆さん、お山を満喫してきてね♪