黄金の鶏冠伝説♪ 後編!

ひとちが

2013年01月15日 16:18

2013/1/12

人間を阻む岩の大障壁! 
鶏冠山
(奥秩父エリア)

全山行 338回



前編はこちら



標高 鶏冠山 2115m      
天気  晴れ
山行時間 10時間

   
〈コース〉自宅(4:30)-西沢渓谷市営駐車場(7:00-7:15)-二俣吊橋-
鶏冠山入口-出合(8:35-8:40)-鶏冠谷から山へとりつく(9:00-9:10)-
第一岩峰-(11:10-11:30)-第二岩峰-(11:50)-第三岩峰(12:50)-
P2115(1:20)-第三岩峰・標柱(1:40-1:45)-ピストンで駐車場(5:15)

*厳冬期の鶏冠山登山は オススメできません
かなり危険な上、時間がかかります
雪のない季節のよい時期に出かけてね








病み上がりなことも
すっかり忘れて

この厳冬期に
とんでもない山に

登ってしまったような 気がする


またしても ひとちがの
無謀なる挑戦  が始まった









後 編



先週わぁー、浅間山がサブかったせいか
不覚にも風邪をひいてしまった ちがこさん
今週わぁー、もちろん復活 元気モリモリ
(うはは!)

実は ちがこさん、気になっていた山があった
西沢渓谷を訪れるたび、駐車場から見える
ニワトリの鶏冠のごとく 奇怪な山容の山

その名も 鶏冠山

ルートマップもなく、手がかりとなるのは 
人の山行記録だけ
(きゃぁー)

しかぁ~し 山梨百名山 となれば
登らぬわけにも行かぬ
(そう! そう!)

そんなわけで 前から何度か計画を立てたものの 
流れ流れて今日になった
(あはは。。。)





早朝 市営駐車場には車は数台
ヘルメットを背負ったお兄さんが二人 
体操していた
(えっ?)


あの人たちも 鶏冠山に
行くんでしょうか?



きっとそうだよね
ヘルメットかついでるしぃー
鶏冠山しかないっしょ



ちがこさんは ウハウハ

ひとちがより15分ほど早く出発した 
お兄さんたちの後を歩けば
トレースバッチリ迷うこともない
(うひひひひ)


山行時間はどのくらいなんですか?


確かピストンで7時間くらいあれば
大丈夫かなぁ~?



またぁー
いいかげんなこと言って!
7時間で済むわけないでしょ



まぁ、まぁ
ひとしさんには内緒にしといて



いいのかなぁー?


ひとしさんは頭の中で下山時間を計算していた


よし 今出発すれば
3時すぎには下山できるはず



黙ってて ごめん ひとしさん





さっそく駐車場から西沢渓谷に向かう



東沢の道沿いにある なれいの滝
すでに氷瀑となり寒さを強調


うわわ。。。
サブそうだねぇー




ねとりインフォメーションからの道は
コチコチ ツルツルで アイゼンを出すべきか 
出さぬべきか迷った
 

面倒クサイから
やぁ~めたっと



山靴で歩いたもんだから 
何度も すっ転びそうになった
(バカだねぇー)



二俣吊橋に到着
橋の上から見える景色は素晴らしい

下方向は 美しい東沢の流れ



上方向の堤防には 氷瀑ができ 
時折 積み重なった大きな氷が 
ドサっと崩れる



そしてその奥には鶏冠山
まだ雪はあまりついていないようだけど
眺めるだけでも迫力のある山であ~る
(うん、うん)




鉄の橋を登り 階段を登ると
一段上がった場所が 鶏冠山の入口



大きな西沢渓谷の看板の横に 
青いかわいらしい看板がついている



先ほど駐車場にいた お兄さんたちの
トレースだろうか?
足跡が点々と沢沿いについていた
(うは! うは!)


よっしゃ 
行きますか!



雪は柔らかく特に問題はなかった
東沢に沿って西沢渓谷遊歩道から離れていく



しばらく歩くと広い河原に出た


ん?
ここが渡渉ポイントかなぁー?
入口から10分くらいって書いてあったけど



まだ10分も歩いていませんよ


でもトレースが河原の方にもあるから
ちょっと様子を見てくるよ




トレースは沢で終わっていた
(オヨヨ?)


違うみたいだね
反対岸には上がれそうな場所ないし
出合の標識もないもん



ふと見ると 山沿いに赤テープ
トレースもついているので そちらが
本コースと思われた


赤テープとトレースを追って登りながら
左にカーブ、トラロープのつけてある
急な崖を慎重に下る
(うわぁー)



あのぉー
ここまででも十分大変な気がするんですけど
この先はヤメた方がいいんじゃないですか?



えぇぇぇ?
なんで?



確実な地図がないのと 西沢渓谷遊歩道とは
あまりに違う状況下、ひとしさんはやや引き気味

反して一向に気にする様子もないのは ちがこさん
(あはは。。。)


あっ!
渡渉ポイントだ
 


沢の反対岸の大きな木に 鶏冠山の
青い看板発見!



増水期は山靴を脱ぎ 沢を横断
灌水期は石の上を ぴょんぴょん渡る難関だ


で 今日はどうなの?


うひひひ
凍ってるぅー♪



そうなのだ、厳冬期ともなれば浅瀬は凍り
氷が厚く張った場所をウマク通過すれば
沢に落ちることもない


ラッキー♪


さっそく ちがこさんはストックでコツコツと氷を
突き 足場のよさげな氷の上を恐る恐る歩いていく


ひょぇぇぇ。。。
なんか危険な気がする




ひとしさんは氷を踏み抜くことを恐れて
安全パイの岩をウマク使って反対岸に上陸した
(うはは!)

無事 渡渉 



東沢から鶏冠谷に沿って上っていく
東沢は危険なため 立ち入り禁止

沢の脇道は ほとんど氷



ひとしさんも真剣だ



ツルツル滑りそうで怖いのと 氷の下を水が
流れているので踏み抜くんじゃないかという
不安で心臓がバクバクする



しばらく進むとトレースがなくなった


あれ?
こっちじゃないのかな?



先に続く鶏冠谷にはトレースはなく
いったいどこから山にとりついていいのか
わからない

っていうか、先を歩いているはずの 
お兄さんたちは どこに消えたのか?
(ぴーんち)


しばらく立ち往生
ウロウロと山のとりつきを探す ひとちが



あった!

少し戻った場所をUターンするがごとく
山の急斜面にジグザグに道がうっすら見えた

が トレースはない
ってことは 誰も山に登ってないってこと


じゃ あのお兄さんたちは鶏冠山へは
行ってないってこと?



あわわ。。。
そうみたいだね


ちがこさんのもくろみはあっけなく消えた




仕方ありません
ここからは ひとちがが先頭さん
トレースつけて開拓だぁーっ


うが うが うが うが


雪の山斜面を登り 日が当たる雪のない尾根の
登山道に出ると 意外にもしっかりルートがわかる



雪がなくとも 枯葉の下はアイスバンに
なっているので滑りやすい

所々に案内版が木についていた
赤テープもバッチリついている

 

うが うが うが うが



コメツガとブナの林を抜ける
ブナの実がたくさん落ちていた



不規則な登りになると赤テープをすべて
信じちゃいけないファインデイングルート
(がんば)



素で登れなくなるころに トラロープが
張られた坂や岩の急斜面
傾斜は益々キツくなる





うが うが うが うが

小さな枝沢の上部をトラバースしながら登り
シャクナゲの急坂を登りきるとやせ尾根に出た



しばらく登ると岩壁につきあたる
岩には厚く氷がついていて ロープはあるものの
ツルツル滑って登れない
(あららん)

アイゼン装着 



爪を突き刺し 一気に登る


岩尾根に出た
鶏冠谷が一望だ



随分 登ったねぇー


いや
これからですよ



と言いつつも ひとしさんの 
この 超ゴキゲンな顔 


あー 楽しい♪


左の谷の源頭部、岩壁の基部をトラバース
登り詰めた基部に第一岩峰が出現


おぉぉぉ!

見上げる大岩に鎖がついている



日が当たる岩尾根 アイゼンは必要なさそうだけど
その先がどうなっているのかわからないので
とりあえず アイゼンつけたままで ちがこさんが岩を
先に登ってみることにした


岩にアイゼンの爪がこすれ イヤな音がする
つかんだ鎖は絶対放しちゃいけない

 
切れ落ちた両サイドは 崖っぷち 
転がり落ちれば 転落死 
(きゃぁー)


景色を眺めながら登るなんで不可能
足元の岩、手元の鎖、そして上だけ見て
岩を登っていく



バク バク バク
心臓が激しく鼓動してる音がする



必死に登った 岩の上は案外小広く
休憩するのに丁度いい
(わぁーい)

岩の上から ちがこさんが大声で叫んだ


ひとしさぁ~ん
先は雪があんまりないみたいだから
下でアイゼン外して岩を登った方がいいよぉー



わかりましたぁー


気をつけてねぇーっ


岩の上からは下にいる ひとしさんを
確認することができなかった



ひとしさんを待つ間 のんびり景色を
眺めながらアイゼンを外す



きっもちいい♪


しばらくすると 余裕の表情の
ひとしさんが登ってきた


いやぁー
いい景色ですねぇー



鶏冠谷はもちろんのこと



進む先の第二岩峰、第三岩峰の切れ落ちた岩尾根が
青空の下ずっと先まで続いているのが見える



ちがこさん、ここまで随分時間かかって
ますけど山頂まで行けるんでしょうか?
時間を決めて進みましょう



あはは
そ、そうだね




登った分下り そしてまた岩を
這い登る



風はなく 青空が眩しい



時に岩をトラバース 落ちないことを
願いながら樹林帯に
(あはは。。)



次なる難関は もちろん第二岩峰
大きな岩には鎖が ブラリ 


鎖一本では足の架け場のない一枚大岩を
登ることはできそうもない


どうすりゃいいの?
 

よく見ると 倒れた木にタオルが巻かれ
岩に立てかけてある


ラッキー♪



タオルに足を乗せ 鎖で一気に登る



いよいよ 第三岩峰の前まできた
と ここで問題が・・・


岩の直下手前に ちょっとした岩に飛び移らなくては
いけない場所がある


岩には雪がついている
もしかして凍っているかも 



飛び移るのはいいけど 失敗すれば
山斜面を転がり落ちる可能性大


ロープはもってきたものの
使うべきか? 使わぬべきか?

どうしよう?


後方で ひとしさんも迷っていたようだった


やっぱり岩に飛び移るのは
危険だと思いますけど
どうしますか?



いいもん、ちょっと戻って
山斜面からアタックするから



あ゛―
また ちがこさんの デタラメな
行動が始まった



呆れて 少し離れた場所から
見物する ひとしさん


よっしゃぁーっ!



登りにくい山の崩れそうな急斜面を
折れそうな古い木の枝をつかみ
ちかこさんが バリバリと登る


登りきったはいいが シャクナゲが邪魔して 
第三岩峰の直下には出ることができない


ごめんね 



シャクナゲに詫びながら手で押しのけ 
メリメリと間を抜けた


でたぁー♪


ひとしさんも ちがこさんの後を続く
なんとか第三岩峰の直下にでた
(やったぜ)



と ここでまたしても問題が・・・


ここまでエラク体力を消耗したため
無敵に立ちはだかる 第三岩峰を直接登る
気にはなれなかった


第三岩峰には巻き道があるため それを
利用すれば難なく岩の上に立てるはず



が 巻き道がない?

ないんじゃない


岩の日陰の巻き道は山の急斜面に雪が積もり
複雑に木が茂る サラサラ雪の白い傾斜があるだけで 
どうやって下っていいのかわからない

赤テープは木の枝についている


ええい!
尻セードで下りゃいいや!



ヤケっぱちで ちがこさんはお尻で斜面を開拓
あまりに急なので木の枝に ひっつかまり 
雪を下にザラザラと落としながら滑り下る



大丈夫ですかぁー?
気をつけて下さいよぉー


上から ひとしさんの心配そうな声がする



ようやく下まで降りると 今度は第三岩峰を左に
巻くように赤テープがついていた


その先は急登
膝まである雪をラッセルしながら登っていく


うが うが うが うが



あ゛ 
大変
 

岩を登るのも大変だけど 巻き道とはいえ
ラッセルじゃ 体力消耗もさほど差はないかも
帰りが憂鬱だ




ブゥブゥ言いながらなんとか 
尾根の三叉路にでた

標識がある


あのぉー
これには右に行くと木賊山って書いてありますけど
その方向でいいんですか?



いいの! いいの!
本当のピークは 第三岩峰の先に
あるって情報だから♪



ホントにいいの?


やや納得がいかないが ひとしさんも
シブシブ ちがこさんの後を追う




シャクナゲがモジャモジャ生えてる 
あるような ないような不明瞭なルートを 
たまにある赤テープを見落とさないように
ラッセルしながら登っていく

ともかく登りにくい



あ 
大変
 

きっと雪がなければ もう少しマシなのかもしれない
ともかく不明瞭極まりない


その上、シャクナゲは容赦なく ひとちがを
バシバシと攻撃してくる


今回、岩登りってことでヘルメットかぶってきたけど
岩より 飛び出た木や シャクナゲの枝で攻撃される
方がひどかった


ありがとう
ヘルメット
 




進めど 進めど 一向に地図上のピークらしき
場所に到達できない
(はぁ。。。)

いくらラッセルしながら登っても
シャクナゲの樹林帯が続き 先が見えなかった
(はぁ。。。)


とうとう ひとしさんがシビレを切らした


もう 時間が押しています
予定より1時間もオーバーしちゃいましたよ



うん、わかってる


もう身体も限界
帰路の時間と体力を考慮すれば 
これ以上先に 進むことはできない
(うん、うん)




小ピークに出た
そう ここが地図上での2115m地点



やったぁーっ 

長い道のりであった
ここからは甲武信ヶ岳が見える



そして西沢渓谷の上に位置する黒金山も
ひとちがっち裏山の富士山も見えたよ



さぁ、急いで帰らなくっちゃ!


あれ?
山梨百名山の標柱は?



そうだった
すっかり忘れてた



第三岩峰の三叉路まで戻ると
ひとしさんが叫んだ


あーっ
こんな所に割れた標識が落ちてました



見れば 第三岩峰の上が山頂となっている



さっそく岩の裏側から岩の上に出た


あった!
あった!




展望のいい岩の上に 棒が一本立っている
国師ヶ岳方向の景色もバツグンじゃん



わぁーい♪

ちがこさんも写真を撮りたくて
カメラをかまえる


よろろぉ~ん
ボテ!


尻餅ついた拍子に岩にカメラをぶつけて
液晶画面を破壊した
(あわわ。。。)


あーぁ
慣れないことするからだよ



壊れた記念に ひとしさんの顔を移しておこう



時間が押していた
急いで帰らないと日暮れまでに戻れない


元来た道を慎重に下っていく
でもね、岩場は一筋縄ぢゃいかないわけ
(ふぇーん)



スタコラ スタコラ



第二岩峰から 第一岩峰が見える



ようやく第一岩峰まできたけど先は長い
ゆっくりと山が日暮れていく



第一岩峰の長い鎖を無事降りた



難関の岩尾根を下ると激下り
ここもまた気が抜けない


もっと早く下れないんですか?


一生懸命下ってるんだけど
これ以上無理




暗くなったら歩けなくなりますよ
赤テープも見えなくなっちゃいますし



ちがこさんが キレた


わかってるから
早く歩ける所は がんばって歩くしぃー



ひとしさん 無言 



ともかく スタコラ スタコラ下るしかない


急ぐがあまり、何度も赤テープに騙されて
アブナイ山斜面や違う方向に下りそうになった



ビバーグ用の断熱シート
持ってきましたか?



ん?
忘れた



こんな時に限って必要な物がない
(はぁ。。。)


不安になりながら 薄暗くなる山を
駆け下りていく



沢の音が聞こえた


ようやく鶏冠谷の沢に降り
出合の渡渉ポイントに到着


あ゛ 
よかった
 



慎重に沢を横断し、アブナイ山斜面を
最後の力を振り絞って登る



鶏冠山の登山口に出た
(よかった よかった)


すでに日は落ち山は真っ暗
長い一日だった



今日は新月 月がない
星だけが光る暗い林道を経て駐車場に戻った ひとちが


時刻は5時半
遅すぎる下山になってしまった

ギリギリ セーフ 


やっぱりねぇー
7時間どころか 10時間もかかってるしぃー



うるさぁーい 




厳冬期、雪のついた鶏冠山
季節のいい時期でも大変な山
またひとつ ハードな山を登ってしまった
(あはははは。。。)


無事帰れて よかったじゃん


まぁね


翌日 激しい山歩きのため ふたりとも
身体がボロボロ あちこち痛くて動けなかったよ
(ご愁傷さま)





この日の立ち寄り湯はこちら
三富温泉 笛吹の湯
地元のお客さんが多い静かなお風呂でした


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