2013/12/01
廃道寸前の道を歩く!
貫ヶ岳
(身延山地エリア)
全山行 393回
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標高 貫ヶ岳 897M 平治の段(南貫ヶ岳) 937M
天気 晴れ
山行時間 5時間45分
〈コース〉中沢公民館(8:45)-焼山分岐(9:45)-貫ヶ岳(10:05-10:15)-
焼山分岐(10:30)-晴海展望台(10:40-11:00)-十国展望台-分岐-
平治の段(11:20)-駿河展望台-中河内峠(12:20)-道迷う(12:10-1:15)-
矢口登山口(2:00)-林道を経て中沢公民館(2:30)
やぶこぎ と
ルートファインディング を
したくない人は歩かない方が無難です
今回わぁー
通行できないコース ってわけじゃない
通行しない方がいいコース のご紹介
日曜日
今日こそガッツり歩きたい と
心に決めていた ちがこさん
(うりゃー)
しかぁーし 腰と首を考慮して
それなりに楽しめる山を計画した
今日もお天気はすこぷるいい
こんな日は どかーんと大きな山に
登りたい所だが致し方ないよね
さっそく出発準備
この村は山奥なんで病院ってのがない
緊急事態の時は ヘリポートにドクターヘリが
やってくるわけ
道を挟んで基地がある
中沢公民館 という名の基地
公民館の横には登山道の案内板
や?
この山って山頂まで
2時間半もかかるの?
あれ?
知らなかったんですか?
実は今日も地図がない
何故ないのかっていうのかと
ないからだ
昨日もそうだったじゃん
登山道の前にあった 山の案内板で
大体の時間の割り振りを確認する
*ちなみに今回 ひとちがが歩いたルートを
書き込みました。
黄色の時間が実際かかった時間
水色は案内板に書かれていたものです。
この時点では 山頂を目指し
稜線上の展望台を経由して平治の段へ
そこから先は
まだ考えていない
ありゃまぁー
そんなんでいいわけ?
いいの!
時間次第 気分次第なんだから
案内板の右下には 現在
通行不可 に
なっている
矢口登山道 の張り紙が目に付いた
(なぬなぬ)
うひひ。。。
歩きたいよね このコース
いってみよう
茶畑を過ぎると きれいな竹林
進むにつれ山らしくなってきた
電柱の横から山にとりつく
ねぇー ひとしさん
ここから植林帯を2時間も登んのかな?
案内板じゃ そうなってましたけど
やんなっちゃうねー
と
暗くて退屈な植林帯をイメージしていたから
手入れされた立派な植林帯に驚いた
(わわ)
いくらきれいな植林帯でも
これが ずーっと続くと飽きてくる
(はぁ。。。)
もー こうなったらピッチを上げて
一刻も早く植林帯を抜けだそう と思った
(よっしゃ)
うが うが うが うが
ともかく懸命に登っていく
ハァ ハァ ハァ
次第に荒くなる息遣い
焼山の分岐に出るまでに半分の
時間で植林帯を登りきった
(おぉ)
稜線は ゆるやかに上り下りし
雑木林の間からは青空がきれい
山頂は展望もない場所だけど
山梨百名山の棒を確認するためには
ピークを踏まにゃならぬ
すれ違ったご夫婦は同じ公民館から
出発した登山者らしい
きっと展望台にこれから向かうのだろう
山頂に到着
やっぱり展望はなく 樹林帯越しに
富士山の姿が
チョロ っと
まっ いいかっ!
休憩しながら ちがこさんは考えていた
確か あの通行不可になってる
矢口登山口に抜けるコースは
やぶもあるけど 面白そうだったよねぇー
時間もまだ早いし行きたいなぁー
着々と よからぬ計画を立てている
やめときなよ ちがこさん
あのコースを歩いた人はGPS持って
万全の態勢で向かったんだよ
地図もないし 迷ったらどうすんのさ?
ん?
冒険だよ 冒険!
とりあえず展望台に向かうことに
(あは。)
幅広い尾根はゆるやかで
ハイキングするにはもってこい
それほどのアップダウンもなく
迷う箇所もない歩きやすい道
うが うが うが うが
ポン と出た
晴海展望台
標識とベンチがある
東側の景色が一望
すごいですねぇー
展望のない貫ヶ岳だけの往復では
もったいない と思った
カメラをズームしてみると
出発地の公民館やヘリポートも見える
富士山から右に目を移せば
このような景色
更にその横には
雲がなければ
駿河湾の光る海がみえるはず
大満足で次の十国展望台に向かう
晴海展望台に比べると
ちょっと見劣りするけど
ここもまた素晴らしい景色だ
更に進んでいくとT分岐に出る
右に向かえば
樽峠
左は
平治の段(南貫ヶ岳)
実は 先日歩いた
高ドッキョ から
平治の段へ歩こうと計画したものの
時間がなくて諦めたのだ
(はぁ。)
リベンジ戦
それ以上に
あの
通行不可ルート が気になった
う~ん
悩む所
横の木には おもいっきり
このような張り紙
ひとしさん引き気味
賑やかな20名ほどのパーティーが
山ごはんを楽しむ平治の段から
冒険コースに向かう
(うはは。)
なんか 山が荒れているように見えますけど
本当にこっちでいいんですか?
たぶんねぇー
踏み跡もあるし 方向的にあっちじゃない?
ホントかなぁー
ヤバいよ ちがこさん
地図ないしぃー
その先の 駿河展望台も見てみたい
欲望渦巻く山歩き
どうやら 笹道が始まったようだ
ありがたいことに笹は払われ
歩けないってわけじゃない
払われた笹の上は歩きにくく
足を捕られ 何度も転びそうになる
(げっ)
道はどんどん下っている
途中 朝すれ違ったご夫婦とすれ違った
どこまで行かれたんですか?
駿河展望台の先までです
周遊するつもりでいたのですが
その先は道が不明瞭でコワくなって
ピストンで帰ることにしました
へぇー
そうなんですかぁー
周遊するんですか?
はい
驚いたようにご夫婦が
ひとちがを見つめる
何度か歩かれているんでしょう?
いいえ
初めてです
えーっ!
信じられないといった顔で
ご夫婦は呆れた様子
駿河展望台の標識はなく
やや開けた場所から南景色
そして北東には富士山が見える
その先はやぶこぎ
ヤバくないですか?
赤テープもないし 地図もないし・・・
ひとしさんの言葉も終わらぬうちに
ちがこさんは どんどん笹の中に
潜っていく
ひひひ
やぶがあるってのはわかってたこと
やぶの下には踏み跡もあるから
問題なしっと
本当に大丈夫なんでしょうねぇー
益々 やぶが深くなっていく
バサ バサ バサ
笹を掻き分け ちがこさんが進む
その後を
今すぐ戻りたい ひとしさんがいる
バサ バサ バサ
もー こうなったら何としても
やぶを突破するっきゃない
笹を掻き分けるたびに
顔や腕に痛みが走る
(きゃぁー)
やぶを抜けた
道もちゃんとあるから大丈夫だよ
赤テープ確認
不安だけど
進んでもいいかな?
と思っている ひとしさんがいる
あまぁ~い
このコースは 簡単にはいかない
やっと笹地帯が終わっても
植林と雑木林の枯葉で不明瞭
ルートファインディングできないと
前には進めないのだ
どれも道に見えちゃいますね
赤テープもまったくないし
ひひひ
大丈夫だよ ひとしさん
なんでそんなことがわかるんですか?
同じコースを歩いてた人の軌跡を
地図で確認してきたから
へぇー
疑うべきなのか
信用すべきなのか?
赤い杭を追っかけて進むと
中沢峠に到着
(きゃほー)
木の根元には ふたりのお地蔵さん
これから進む 冒険ルートの無事を祈り
手を併せた
ここからが
矢口登山道
通行できないコース
恐ろしいことに 目の前に道はなく
ただ枯葉が積もっているだけ
ここを下るんですか?
たぶん そうだと思うよ
大丈夫なんですか?
たぶんね
ずるずると ちがこさんが下っていく
後を追っかけて ひとしさんも続く
ようやく見つけた
その先も不明瞭
少し下った場所で一瞬迷った
あれ?
どっちかな?
山を巻くように うっすらと
道があるように見えた
一方は枯葉が深く積もり道幅は広そうだけど
赤テープらしきものも見当たらない
えーい
こっちだ!
山を巻く方向に ちがこさんは進む
フカフカした道は 人が踏んでいるのか
いないのかさえわからない
これが 獣道 だと気付いたのは
それから30分も後のことだった
必死に笹を掻き分けて道なき道を進む
ハァ ハァ ハァ
山が崩壊した場所に出た
崩れた谷になっている箇所を越して
道が続いているように見える
ここを下って渡るんでしょうか?
危ないよ
上に這い登って崩壊地を巻いた方が
安全だと思うけど
私は下って渡る方がいいと思いますけど
じゃ 行ってみるよ
そう言うと 足場の悪い崩れかけた場所から
下に降りようとした
ズル
イヤな音がして 土が
ボコっ と落ちた
支えに持っていた古い枝が折れ
土と共に転がり落ちる寸前
危ない!
危機一髪 落ちることなく
ちがこさんは生還した
仕方がないので 今度は ちがこさんの
言う通り 山の斜面の道なき道を這い登る
なんか 違うみたい
頭の中で一瞬迷いが生じたものの
今更後には引けない
進めば 進むほど道はフカフカ
明らかに人は歩いていない感じ
太陽はまだ高い
今戻ればなんとかなる
ハァ ハァ ハァ
それでも諦められず前に進む
ハァ ハァ ハァ
とうとう山を巻いて
山の端っこに出てしまった
ごめん やっぱ違ったみたい
戻ろっか
いつもそうです 自信あり気に言うから
もうこの道はヤメて峠からピストンで
帰りましょう
やぶこぎに疲れきった様子
反論できない
確か 峠から下って迷った場所が
怪しかったっけ
もしかして 何かあるかも
淡い期待を持って
再び やぶを掻き分けて山を巻く
ハァ ハァ ハァ
汗ビタ 髪もやぶで引っ掻き回され
ボサボサ
泣きっ面にハチ
迷い始めて1時間経過
ようやく 怪しい場所まで戻ってみると
深く積もった枯葉の中に 古ぼけた赤テープが
1/3ほど顔を出しているのを見つけた
あっ
赤テープ落ちてるしぃー
*あまりに壮絶な やぶ歩きだったので
写真を撮る間がありませんでした
なんのことはない 本コースに戻ると
不明瞭ながらも登山道はしっかりある
(ぶぅ)
ともかく枯葉が深く積もっているので
枯れ沢沿いの道は危険で気が抜けない
ハァ ハァ ハァ
どんどん沢沿いに
標高を下げて下って行く
危険だな
と思われる場所には ありがたいことに
ロープがつけられている
このロープが問題
使われている様子がなく
頼っていいものか?
頼って枯れ沢に落ちたらどうしよう?
と 迷いながらも やっぱりつかんでいる
それでも嬉しかったのは
ちゃんと登山道の標識があったこと
なんだ かんだ 言いながらも
歩いてきた道を振り返ればこの通り
(あはは。)
危険な場所はさらに続く
時折 道が不明瞭で迷ったものの
再び 獣道に迷い込むことはなかった
コース一番のアトラクション
架けられた丸太は細く一足分しかない
その上 苔むしてヌルヌルしてるし
腐って今にも落ちそうな感じ
(きゃぁー)
半ほどまで行くと 大きく身体が上下に揺れ
この上ない恐怖を味わうことができるのだ
途中まで渡ったものの
あまりのコワさに沢の思わず中州に飛び降りた
(ひょぇぇぇ)
無事通過
まだまだ冒険は続く
水がない枯れ沢はともかく
水が流れる沢には落ちたくない
何度も沢を渡り
コースの方向を探る
気が張っていると
ちょっとした滝も嬉しい
もーいいから
と言いたくなるような橋をいくつも渡る
最後の橋を渡りきった時は
正直 ほっとしたよ
林道の入口にある矢口登山口に出た
登山口の標識には
山の上にあった張り紙と同じ
通行できません の表示
や? 違う 違う!
通行はできるよ
通行しない方がいいとは思うけどね
村の高台からは 美しい棚田の景色が広がり
無事 冒険ルートを歩き貫いた
ひとちがへのご褒美みたいだった
帰宅後 ひとしさんの無線で今日歩いた軌跡を確認
獣道に迷い込んだ 笑っちゃうような
へんてこりんなルートを徘徊していた
(あはは。。。)
お疲れ ひとちが