初秋の怪談・・・
2014/08/30
テン場の幽霊さん?
あなたは山でこんな経験ありますか?
見えない何かを感じたこと
その日の夜 テントに叩きつける雨は
益々ひどくなっていった
バケツの水をひっくり返したような
雨の重みがテントにのしかかる
テントがペシャンコになるかも
あわや ひとちが危機一髪か
そんなことを 考えながら
シュラフに深々と潜り込む
雨で冷えた身体がまだ冷たい
それにしても ひどい どしゃぶり
ちがこさんの天気予報では
こんなに雨が降るはずなかったんだけどな
山の天気は予想外
雨音に混じって何か違う音が聞こえる
何の音かな?
しばらく じっと耳を澄ませ
雨音以外の音が何なのか確かめた
おかしい
んなわけないのに
横で疲れきった ひとしさんは
グーグーいびきをかいて眠っている
テントから顔出して確かめたら
雨でびちょ濡れになりそうだし
気になる 気になる 気になる・・・
眠れない 眠れない 眠れない 眠れない
眠れない 眠れない 眠れない 眠れない
うーん やっぱり眠れない
暗やみの中で ひとしさんに
そっと声をかけてみた
ひとしさん?
起きてる?
ふが
何ですか?
寝るの早いね
もう いびきかいてたよ
え?
私 いびきしてました?
で 何ですか?
あのさー
音がするんだけどね・・・
何の音ですか?
たぶん動物でもなく
人でもない・・・
え゛
じゃ いったい何ですか?
この日 小屋の裏側のテン場に
ひとちが以外のテントは三張しかなかった
天気のいい土日なら 混み合うテン場だけど
雨がガンガン降ってるからテントは少ない
ケチな ひとちがといえば
ここまで重たいザックを上げた以上 小屋泊など
選択するわけがなく 雨がガンガン降る中
大急ぎ 突貫工事で移動式住宅を建築した
テントを立てたのは階段状になっている
テン場の一番下から三番目の段
テン場の横につけられた登山道から入った
二つ目のスペースだ
どこにテントを張っても水たまりの中に
テントを張ることには変わりはないけど
できるだけ被害の少ない場所に張ったつもり
どしゃぶりのため 一端テントに入ったら
外に出るのは ほぼ不可能で
トイレに行きたくても小降りになるまで
がまんしなきゃいけない状況
たぶんこの先テントが増えることはないだろう
と 正直思った
テントに入ってからすでに三時間
外は暗闇
もしテン泊の人や小屋泊の人が近くにくれば
ヘッデンの明かりでチラチラとわかるはず
しかし そんな光はなく
テン場は暗やみの世界だ
なのに ちがこさんは感じるのだ
いるはずのない人の気配
で いったい何が聞こえるんですか?
うんとね
うちのテントの二つ下 一番下のスペースにね
いるわけよ
だから いったい何がいるんですか?
ハッ ハッ ハッ
って雨音に混じって人の荒い息使いと
ペチャペチャ テン場の中を歩き回る足音
幽霊さんかな?
え゛
それと横の登山道を小屋方向に階段を登っていく
登山靴のガボガボした音
大きなサイズの山靴みたいだよ
幽霊さんだと思うよ・・・
え゛
たぶん どっちも山の人みたいだけど
生きてる人じゃないことは確かだと思う
山で遭難とかして亡くなった人じゃないかな
え゛ ー
本当に聞こえるんですか?
うん
ちがこさんは どっちらかというと
そーゆーのに敏感ぢゃない
でもね 今夜は何故だか聞こえるのだ
・・・・・
大丈夫だよ
悪さするような人たちじゃなさそうだし
きっと混み合ったテン場には出ずらいとか?
今夜はどしゃぶりで人も少ないから
たまたま出てきたとか?
そうゆーもんですかね
それっきり ひとしさんは黙ってしまった
気になりつつも ひとしさんに話したので満足
早くテントを張る場所が決まればいいね
なんて思いながらいつの間にか深い眠りに入った
この話
信じるも信じないもあなた次第
真実が知りたければ どしゃぶりの日 このテン場に
テントを張って確かめてみるべし
次回はこの時の山歩きのブログだよ
初体験 どしゃぶりテントのお話
どこに行ったかは次回のお楽しみ♪
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