2014年08月08日
北アルプス放浪記♪ Ⅰ 後編
2014/08/02・03
きれいな山♪
薬師岳
(薬師五郎エリア)
全山行 419回

薬師岳の情報はこちら
前編はこちら
標高 薬師岳 2926.0m
天気
晴れ・
ガス
〈コース・時間〉
二日目:薬師峠(6:30)- 太郎兵衛平(6:50-7:00)-太郎山-
太郎兵衛平-五光ベンチ-折立(11:-00)
行動時間:4時間30分
(太郎山で散策を楽しんだため時間がかってマス
)
人生と同じで 限られた時間だからこそ
おもいっきり楽しんでしまう
それが 「山」
後編
夕食準備 
こんな時に役立つのが
ワタスゲネット

虫に刺されやすい ちがこさんには
なくてはならないアイテムなのだ
先人が残してくれた豪華な石のテーブルと
座るのに丁度手頃な石の椅子

冷たくておいしい水が豊富な水場を利用して
ビールをガンガンに冷やす
テン場はたくさんのキャンパーで賑わい
あちらこちらから料理のいいにおい
かんぱ~い
簡素だけど 美味しい夕食を楽しんだ
食事も終わりハミガキしていると
空からポツポツ大粒の雨
よかったですねぇー
歩いてる時に降られなくて
そうだよね
食事も外でできてよかったよ
うじゃうじゃ話していると
ほぼ同時刻に下山してきた
単独のお兄さんが近寄ってきた
色を抑えたシンプルな服装だけど
とてもステキに見えた

特に印象的だったのは タイツのような細身のズボン
お尻の切り替えが おサルのようでかわいらしい
ひとしさんにもはいてもらいたい

キャップもお洒落
ひとしさんは普段ハットしかかぶらないので
是非ともマネして欲しい
人を見て勉強しよう山ルック
あのー
静岡にお住まいと伺いましたが 南アルプスの
お話聞かせてもらっていいですか?
え?
あんまり参考にはならないかも
うちら な~んちゃって登山ばっかだし
食事も終わった様子
雨も本格的に降り出したので テント内へ移動
しばし楽しい山の話に花が咲いた
その夜
イモムシスーツに身を包み
死体のごとくテント内に転がる ひとちが
やや違和感を感じながらも就寝
真夜中 背中がスースーする感じがして
何度も目が覚める

ちがこさんは靴下を履いて寝たので
足先は寒くはなかった
靴下がキライな ひとしさんは半分だけ靴下を
ひっかけるようにして履いて寝た
無事ピンチを乗り越え朝を迎えた
いやぁー まいったねぇー
やっぱシュラフがないとダメだよね
そうですね
真夏だからよかったものの
秋口なら悲惨でしたね
どんなに荷物が多くても
シュラフは絶対忘れずに
テントから外に出ると雲が多い

今日の方が天気いいかと思いましたが
これじゃ 昨日ピークハントで正解でした
うん
ほとんどみなさん今日がピークハント
きっと朝は山頂混み合うね
テントを撤収し
太郎兵衛平に向かう

いつも ひとちがビリっ尻なのに
今日は出発早いじゃん
えへへ
まだ寄り道したい場所があるんですぅ
展望のいい木道を歩く
池塘が草原の中にポツポツと
昨日見えなかった景色が広がる

ズーム

こりゃ すごい!
いつか行ってみたいね 能登半島
東側の景色を眺めてみよう
昨日 この木道を歩いている時間帯は
山々の山頂付近にはガスがかかり
イマイチだったのがこの通り

ズーム

20分ほどで小屋前に到着した

小屋の前には花畑
花越しのアルプスは青空だったら
どんなにステキなことだろう

でも今日は曇天
ひとちが?
今からまた山に登るの?
うん ちょろっと山行
小屋の裏に太郎山ってのがあるんだよ

ザックをデポし 小屋から続く
木道をひょこひょこ登る

途中にこのような看板がある

草地についた踏み跡をたどっていくと
ケルンが立つ太郎山の山頂なのだ

ここからも
富山湾を堪能できるんだよ
ズーム

北側には昨日登った薬師岳

これから天気が崩れるようなので
ガスがかかる前に心行くまで景色を楽しもう
小屋に戻り下山開始

下るべき西方向は 昨日と同じように
青空が広がっている

ゆるやかに下る整備された登山道の脇の
高山植物たちにお別れし

花畑の後方に鎮座する立派な薬師岳にも
お礼を述べお別れした

夏本番
お盆休みにはあのエリアを徘徊する

あっ お天気雨
樹林帯に入る少し前から雨が
しょぼしょぼと降ってきた

薬師岳を目指す登山者は今日も絶えることはない
降ってきた雨を見上げながら
みなさん残念そうに登っていく

折立にゴール
帰りも有峰湖の湖畔を車で走った
湖の奥の薬師岳

大きな分厚い雲がかかり
湖のカーブを曲がると姿を消した
この日の立ち寄り湯はこちら
奥飛騨温泉郷 平湯の森
夏休みで大繁盛! いつものごとくいい湯でした
きれいな山♪
薬師岳
(薬師五郎エリア)
全山行 419回





標高 薬師岳 2926.0m
天気


〈コース・時間〉
二日目:薬師峠(6:30)- 太郎兵衛平(6:50-7:00)-太郎山-
太郎兵衛平-五光ベンチ-折立(11:-00)
行動時間:4時間30分
(太郎山で散策を楽しんだため時間がかってマス

人生と同じで 限られた時間だからこそ
おもいっきり楽しんでしまう
それが 「山」
後編


こんな時に役立つのが
ワタスゲネット


虫に刺されやすい ちがこさんには
なくてはならないアイテムなのだ

先人が残してくれた豪華な石のテーブルと
座るのに丁度手頃な石の椅子


冷たくておいしい水が豊富な水場を利用して
ビールをガンガンに冷やす

テン場はたくさんのキャンパーで賑わい
あちらこちらから料理のいいにおい

かんぱ~い

簡素だけど 美味しい夕食を楽しんだ

食事も終わりハミガキしていると
空からポツポツ大粒の雨

よかったですねぇー
歩いてる時に降られなくて

そうだよね
食事も外でできてよかったよ

うじゃうじゃ話していると
ほぼ同時刻に下山してきた
単独のお兄さんが近寄ってきた

色を抑えたシンプルな服装だけど
とてもステキに見えた


特に印象的だったのは タイツのような細身のズボン
お尻の切り替えが おサルのようでかわいらしい

ひとしさんにもはいてもらいたい


キャップもお洒落

ひとしさんは普段ハットしかかぶらないので
是非ともマネして欲しい

人を見て勉強しよう山ルック

あのー

静岡にお住まいと伺いましたが 南アルプスの
お話聞かせてもらっていいですか?
え?
あんまり参考にはならないかも

うちら な~んちゃって登山ばっかだし

食事も終わった様子

雨も本格的に降り出したので テント内へ移動
しばし楽しい山の話に花が咲いた



イモムシスーツに身を包み
死体のごとくテント内に転がる ひとちが

やや違和感を感じながらも就寝

真夜中 背中がスースーする感じがして
何度も目が覚める


ちがこさんは靴下を履いて寝たので
足先は寒くはなかった

靴下がキライな ひとしさんは半分だけ靴下を
ひっかけるようにして履いて寝た

無事ピンチを乗り越え朝を迎えた

いやぁー まいったねぇー
やっぱシュラフがないとダメだよね

そうですね

真夏だからよかったものの
秋口なら悲惨でしたね

どんなに荷物が多くても
シュラフは絶対忘れずに

テントから外に出ると雲が多い


今日の方が天気いいかと思いましたが
これじゃ 昨日ピークハントで正解でした

うん
ほとんどみなさん今日がピークハント
きっと朝は山頂混み合うね

テントを撤収し
太郎兵衛平に向かう


いつも ひとちがビリっ尻なのに
今日は出発早いじゃん

えへへ
まだ寄り道したい場所があるんですぅ

展望のいい木道を歩く

池塘が草原の中にポツポツと
昨日見えなかった景色が広がる


ズーム

こりゃ すごい!
いつか行ってみたいね 能登半島

東側の景色を眺めてみよう

昨日 この木道を歩いている時間帯は
山々の山頂付近にはガスがかかり
イマイチだったのがこの通り

ズーム

20分ほどで小屋前に到着した


小屋の前には花畑

花越しのアルプスは青空だったら
どんなにステキなことだろう


でも今日は曇天

ひとちが?
今からまた山に登るの?
うん ちょろっと山行

小屋の裏に太郎山ってのがあるんだよ


ザックをデポし 小屋から続く
木道をひょこひょこ登る


途中にこのような看板がある


草地についた踏み跡をたどっていくと
ケルンが立つ太郎山の山頂なのだ


ここからも
富山湾を堪能できるんだよ

ズーム

北側には昨日登った薬師岳


これから天気が崩れるようなので
ガスがかかる前に心行くまで景色を楽しもう

小屋に戻り下山開始


下るべき西方向は 昨日と同じように
青空が広がっている


ゆるやかに下る整備された登山道の脇の
高山植物たちにお別れし



花畑の後方に鎮座する立派な薬師岳にも
お礼を述べお別れした


夏本番
お盆休みにはあのエリアを徘徊する


あっ お天気雨

樹林帯に入る少し前から雨が
しょぼしょぼと降ってきた


薬師岳を目指す登山者は今日も絶えることはない

降ってきた雨を見上げながら
みなさん残念そうに登っていく


折立にゴール

帰りも有峰湖の湖畔を車で走った

湖の奥の薬師岳


大きな分厚い雲がかかり
湖のカーブを曲がると姿を消した



奥飛騨温泉郷 平湯の森
夏休みで大繁盛! いつものごとくいい湯でした

2014年08月07日
北アルプス放浪記♪ Ⅰ 前編
2014/08/02・03
きれいな山♪
薬師岳
(薬師五郎エリア)
全山行 419回

薬師岳の情報はこちら
標高 薬師岳 2926.0m
天気
晴れ・
ガス
〈コース・時間〉
初日:折立(7:00-7:10)-五光岩ベンチ-太郎兵衛平(11:10)-
薬師峠(11:30-12:30)-薬師岳山荘-薬師岳(2:00-2:10)-ピストンで薬師峠(4:15)
行動時間:9時間15分
(山と高原地図に記載されているコースタイムより時間短縮できマス
)
でたな ガス野郎!
前編
真夜中12時半
眠い目をこすり6時間かけて
富山県の折立に向かう
ひとちー
運転よろしくね
まかして下さい
すっかり朝日が昇ったころ
有峰林道の料金所に到着

ちがこさんのいいかげんな山調べのおかげで
こんな山奥の林道が有料なのも知らず
こんな山奥の林道なのにバカ高い通行料とも知らず
おまけに早朝6時にゲートが開くことさえ知らなかった
ダメじゃん
ちゃんと調べておかなきゃ
ごめん
時刻は5時50分
偶然とはいえ
いい時間にゲートに到着したもんだ
ゲートが開くのを待っていた車はすでに3台ほど
2台目の運転手は車で爆睡していたらしく
3台目の運転手に文句を言われ
料金所のおじさんに起こされていた

よほど眠かったんだね
ゲートが開き ひとちがの順番がくると
すかざすお金を出しながら文句をタレる ひとしさん
なんでこんなに料金高いんですか?
ケンカ売ってるんかい
ひとち?
往復料金ですから・・・
意外と長い距離なんですよ
申し訳なさそうに料金所のおじさんが言った
この林道 岐阜側からも富山側からも
料金は一律で払わなきゃいけないから
文句言ってもダメだよ ひとち
ふぁ~い
林道は有峰湖の西湖畔を沿うように
つけられ ドライブ最高
でも 高いんだよね
まだ言うか
逆光となり影となっている薬師岳の姿は
シルエットでしかみえなかったけど
その大きさには圧倒される

林道の途中に設けられている展望台から
有峰湖を眺め ビジターセンターを通過する

薬師岳の登山口である
折立の駐車場に到着
ゲートが開くのは早朝6時なのに すでに駐車場は
満車で一番遠い空き地スペースしかない
前日から折立に入っている
登山者が多いってことだよね
だって人気の百名山だもん

準備していると 次々と車が現れ
たちまち路肩にも長い車の列ができた
よかったですぅー
ちゃんと駐車場に停められて
今度は大型バスが何台も乗り込んできた
たちまち登山口のヒュッテ前は登山者で
溢れかえり入口付近のトイレも大渋滞
こりゃたまらん
大急ぎで出発

登山口を入るとすぐに
このような物が建っている

山を調べている時に 悲しい遭難事故
として記載されていたのを思い出した
同じ年頃の しょうたろう選手と
かぶってしまい 心が痛む
不安だったよね
きっと寒かったよね
手を併せ 山に突入する
混み合うことは覚悟していたものの
狭い登山道には数珠のように人がつながり
なかなか前に進むことができない
激混み

重いザックの ひとしさんとしては
立ち止まることも 急坂ゆえ人を追い抜くことも
不可能で ただひたすら下を向いて山を登る
ハァ
ハァ
ハァ
無風状態の樹林帯は蒸し暑く
ダラダラと汗が乾いた山の土に吸い込まれていった
あぢぃー
ちがこさんの前を歩いていた おじさんが
いきなり振り返り目を吊り上げながら叫んだ
あまり近づかないでもらえるかな
ストックが後ろにハネたら怪我するよ
距離をとってくれなきゃ危ないじゃないか
え゛?

確かに前の おじさんとの距離は近かったかも
でもさー 急坂だし階段一歩登れば接近しちゃう
後方じゃ人が待機してるからどうにもなんないんだけど
すみません
謝ったものの 少々ムカついた
おじさんの前には おばさんが二人
彼女たちのペースで登っているらしく
おじさんは一番後ろ
このパーティーのおかげで
ピンポイントで登山道が渋滞してるのだ
蒸し暑い上 コミコミの山ともなると
自分たちのペースで歩けないから
イライラするのもわかるけど
しばらくすると おじさんが前のおばさんたちに
イヤミのごとく声をかけているのが聞こえた
うっとうしいから
先に歩かせよう
なんじゃい
このおじさん 超ムカつく
ちがこさんの怒りがおさまらないのが
わかったのか ひとしさんが言った
他人を怒るのは畑違いですね
ペースが遅いのなら道を譲ればいいんです

若輩者の ひとちがでさえ
自分たちが遅いと思えば「どうぞお先に」と
必ず道を譲るようにしている
パーティー最後を歩く人は
後方の登山者に気を配りましょう
年配のキャリアある登山者がこんなじゃ
若者に示しがつかないよね
まったくもって
その通り
おじさんの一言で 楽しい山歩きも
台無しになる所だった
*このおじさんは例外で たくさんのパーティーがいましたが
みなさん気持ちのいい人たちばかりでした
渋滞解消
樹林帯を登りきりP1870からは草原状の尾根に変わる
広く整備された登山道に変わり
樹林帯とは違い人がバラけた
最初に見えたのはこちら

左手方向に 大きく腕を広げたような
薬師岳が遠くたちはだかっている
どれがピークだか
わからないよね?
初めて登る山
初めて目にする山の形
どこが山頂なのかわからなくても
あの山の上まで登ることを考えると
ワクワクが止まらない
整備された登山道を進んでいくと
ベンチがいくつも置かれていた

展望地からはこの景色

樹林帯から抜けたので青空


帽子かぶらないと
日射病になっちゃうよ!
ふぁ~い

歩きながら ちがこさんは考えていた
え~と
忘れ物なかったかな?

ザックの支度は ちがこさんの係り
準備万端のつもりでも
忘れ物はあるかもね
う~んと
ヘッデン持ってるし アタックザックもある
食糧はOK テン場には水場もあるから問題ないか

と 気が付いてしまった
とんでもない忘れ物
ひとしさんに今すぐ
言うべきか?
言わぬべきか?
しばし迷ったものの いずれはバレてしまうので
正直に告白することにした
ひとしさーん
とんでもない物忘れた
ハァ
ハァ
ハァ
な なんですか?

振り返ると硬直状態の ひとしさん
なんかザックが小さいと思ったんですよ
どうするんですか?
朝方は冷えますよ
道のり半分
戻ってもどうにもならない
あ! そうだ!
何故だか真夏には使う予定のない
厳冬期仕様のイモムシスーツ(ダウン上下)を
持ってきたことを思い出した
なんとかなるっしょ
悩んでいても仕方ないので
このことは忘れることにする

展望のいいコースは左右の景色が
楽しめるので思わず足が止まってしまう



緩やかに登山道は標高を上げ
草原状の美しい登山道がどこまでも続いていた

ズーム

登山道外は高山植物を保護するため
ロープが張られ立ち入り禁止

ザックの重さに時折休憩
太郎兵衛平の小屋を目指し登っていく

薬師岳は花の百名山でもある

夏山を彩る花はさまざまで
場所によって色とりどりの花が咲いていた

必死で登っていく ひとしさんを横目に
ウロウロと花の撮影を楽しむ ちがこさん

草原状のコースは360度見渡しても
どこも素晴らしい景色で飽きることがない

パチパチ パチりんこ


おいてかれてる!
おいてかれてるってば!

小屋の屋根が近づいてきたころ
事態は急変した

四辻の分岐となる太郎兵衛平はガス

向かうテン場方向は

正面はアルプスの山々の絶景地


どうしますか?
時間早いですがテント張ってから
ピークハントに出かけますか?
目の前のガスを見ると
判断し兼ねる所

20分ほどステキな木道を歩いていく
ここからも素晴らしい景色を眺めることが
できるのだが ガスのおかげでイマイチ
まぁいいさ!
カラフルなテントが立ち並ぶ
薬師峠に到着

ここは小屋から離れているので
管理小屋に午後から受付のスタッフが出向いてくれる
キャンパーは好きな場所にテントを設営
水場で冷やしたビールも購入できるのが嬉しい
できるだけ平な場所がいいんですけど
ウロウロ物色していると
丁度テントをたたんでいる人を見つけた
じぃー
すると
ここ譲りますよ
たぶんここが このテン場で一番平な場所です
上段にもいい場所があるけど トイレが遠く
なっちゃうから不便かな?
そう言うとささっとテントをたたんでくれた
ラッキー
話によれば 昨日は夕方からひどい雨で
とてもテント外では作業できなかったそうだ
どうする?
山頂アタック明日にする?
時刻はまだ昼
行けそう?ですね
雨が降る前に帰ってこれるといいですが
今日登れば 明日の行程は短くなりますから
ゆとりができますね
うじゃうじゃ話しながら
テント設営完了

散々迷ったあげく

狭く急な沢沿いのゴロゴロした石をつかみ
稜線に向かってずんずん登る

沢沿いにも大輪の花が待っていた

ゴロゴロ石が終わると周囲は開け
花畑が広がる

わ~お
雪渓と花と青い空

いつの間にか
ガスはいない

ゴキゲンに木道を進んでいくと
大きなケルンがあった

そこから見えたのは

進むべき薬師岳への稜線は右に大きくカーブし
更に上へ上へと続いていた

稜線から見た美しい南陵カール
その上を歩くのだ

ハイマツ帯になった稜線を進むと
薬師岳山荘に出る

カールの上に出れば 西側方向の展望が開け
遮る物のない山の稜線はステキ

山荘から見えるピークの上には
目印のように人工物が建っているのが見える

ところが

なんじゃい なんじゃい
これからって時に

なんか最近ガスに
邪魔されてばかりですね

かろうじてガスの切れ間から
東方向の景色が見える

赤牛岳はいつか行きたい山のひとつ
読売新道を経てロングなコースだけど
チャンスがあれば是非とも歩きたい
赤牛はそんなに簡単じゃないよ
わかってるしぃー
進むべき方向

まだガスはいない
それでも西方向から巻き上がるように
ガスが近づいているのでのんびりしてはいられない
がんば! がんば!

ほとんど横移動の標高差のない稜線
小ピークを巻き山頂が徐々に近づいた
と

あっという間に真っ白になっていく山頂
山頂標識があるから薬師岳ってわかるけど
周囲の景色は望めないってのもねぇー

ここからは立山・剣の勇壮な山々が見えたはず
くそー
みえん

で こっちは赤牛ちゃんが
こんにちわしてるはず
くそー
よくみえん

しばし山頂で記念撮影しながらガスが立ち退くのを
待ってはみたものの ますますガスは深くなる一方
下山しますか

遠く遥か彼方から忍び寄る足音
ゴロゴロ・・・

景色がダメなら花の撮影し~よおっと

のん気に稜線を下る ちがこさんとは裏腹に
ひとしさんは気が気ぢゃないらしい
ヤバいです
ヤバいです
さりげなく近寄る怪しいガス

こんな稜線 かくれ場所があるわけもなく
ピカっと一発来たら それこそお陀仏
ゴロゴロ聞こえる音を背に
必死で稜線を早足で下る

ひぇぇぇぇ。。。
途中 ふたりのおばさんとすれ違った
雷が近づいてますよ
危ないですから進まない方がいいと思います
それでも勇敢に おばさんたちは
山頂に向かって進んで行った
山荘まで下り通過するころ
おばさんたちは 同じく下山してきたお兄さんに
止められたのか 山を下る姿が見えた
あ~よかった
危ないよね 雷わ
稜線から離れ標高が下がるとガスは消え
カンカン照りの日差しが眩しく輝いている

山のお天気って
ほんときまぐれ

峠のテン場に到着
予定時間より かなりの短縮
もしかして雷のおかげ?
かもね
かもね
ふたりで顔を見合わせて笑った
シュラフがなくて無事 ひとちがは
朝を迎えることができたのか?
後編はこちら 
きれいな山♪
薬師岳
(薬師五郎エリア)
全山行 419回



標高 薬師岳 2926.0m
天気


〈コース・時間〉
初日:折立(7:00-7:10)-五光岩ベンチ-太郎兵衛平(11:10)-
薬師峠(11:30-12:30)-薬師岳山荘-薬師岳(2:00-2:10)-ピストンで薬師峠(4:15)
行動時間:9時間15分
(山と高原地図に記載されているコースタイムより時間短縮できマス

でたな ガス野郎!
前編


眠い目をこすり6時間かけて
富山県の折立に向かう

ひとちー
運転よろしくね

まかして下さい

すっかり朝日が昇ったころ
有峰林道の料金所に到着


ちがこさんのいいかげんな山調べのおかげで

こんな山奥の林道が有料なのも知らず

こんな山奥の林道なのにバカ高い通行料とも知らず

おまけに早朝6時にゲートが開くことさえ知らなかった

ダメじゃん
ちゃんと調べておかなきゃ

ごめん

時刻は5時50分
偶然とはいえ
いい時間にゲートに到着したもんだ

ゲートが開くのを待っていた車はすでに3台ほど

2台目の運転手は車で爆睡していたらしく

3台目の運転手に文句を言われ

料金所のおじさんに起こされていた


よほど眠かったんだね

ゲートが開き ひとちがの順番がくると
すかざすお金を出しながら文句をタレる ひとしさん

なんでこんなに料金高いんですか?
ケンカ売ってるんかい
ひとち?
往復料金ですから・・・
意外と長い距離なんですよ

申し訳なさそうに料金所のおじさんが言った

この林道 岐阜側からも富山側からも
料金は一律で払わなきゃいけないから
文句言ってもダメだよ ひとち

ふぁ~い

林道は有峰湖の西湖畔を沿うように
つけられ ドライブ最高

でも 高いんだよね

まだ言うか

逆光となり影となっている薬師岳の姿は
シルエットでしかみえなかったけど
その大きさには圧倒される


林道の途中に設けられている展望台から
有峰湖を眺め ビジターセンターを通過する


薬師岳の登山口である
折立の駐車場に到着

ゲートが開くのは早朝6時なのに すでに駐車場は
満車で一番遠い空き地スペースしかない

前日から折立に入っている
登山者が多いってことだよね

だって人気の百名山だもん


準備していると 次々と車が現れ
たちまち路肩にも長い車の列ができた

よかったですぅー
ちゃんと駐車場に停められて

今度は大型バスが何台も乗り込んできた

たちまち登山口のヒュッテ前は登山者で
溢れかえり入口付近のトイレも大渋滞

こりゃたまらん

大急ぎで出発


登山口を入るとすぐに
このような物が建っている


山を調べている時に 悲しい遭難事故
として記載されていたのを思い出した

同じ年頃の しょうたろう選手と
かぶってしまい 心が痛む

不安だったよね

きっと寒かったよね

手を併せ 山に突入する

混み合うことは覚悟していたものの
狭い登山道には数珠のように人がつながり
なかなか前に進むことができない

激混み

重いザックの ひとしさんとしては
立ち止まることも 急坂ゆえ人を追い抜くことも
不可能で ただひたすら下を向いて山を登る

ハァ



無風状態の樹林帯は蒸し暑く
ダラダラと汗が乾いた山の土に吸い込まれていった

あぢぃー

ちがこさんの前を歩いていた おじさんが
いきなり振り返り目を吊り上げながら叫んだ

あまり近づかないでもらえるかな

ストックが後ろにハネたら怪我するよ

距離をとってくれなきゃ危ないじゃないか

え゛?

確かに前の おじさんとの距離は近かったかも

でもさー 急坂だし階段一歩登れば接近しちゃう

後方じゃ人が待機してるからどうにもなんないんだけど

すみません

謝ったものの 少々ムカついた

おじさんの前には おばさんが二人

彼女たちのペースで登っているらしく
おじさんは一番後ろ

このパーティーのおかげで
ピンポイントで登山道が渋滞してるのだ

蒸し暑い上 コミコミの山ともなると
自分たちのペースで歩けないから
イライラするのもわかるけど

しばらくすると おじさんが前のおばさんたちに
イヤミのごとく声をかけているのが聞こえた

うっとうしいから
先に歩かせよう

なんじゃい
このおじさん 超ムカつく

ちがこさんの怒りがおさまらないのが
わかったのか ひとしさんが言った

他人を怒るのは畑違いですね

ペースが遅いのなら道を譲ればいいんです


若輩者の ひとちがでさえ
自分たちが遅いと思えば「どうぞお先に」と
必ず道を譲るようにしている

パーティー最後を歩く人は
後方の登山者に気を配りましょう

年配のキャリアある登山者がこんなじゃ
若者に示しがつかないよね

まったくもって
その通り

おじさんの一言で 楽しい山歩きも
台無しになる所だった

*このおじさんは例外で たくさんのパーティーがいましたが
みなさん気持ちのいい人たちばかりでした

渋滞解消

樹林帯を登りきりP1870からは草原状の尾根に変わる

広く整備された登山道に変わり
樹林帯とは違い人がバラけた

最初に見えたのはこちら


左手方向に 大きく腕を広げたような
薬師岳が遠くたちはだかっている

どれがピークだか
わからないよね?
初めて登る山
初めて目にする山の形
どこが山頂なのかわからなくても
あの山の上まで登ることを考えると
ワクワクが止まらない

整備された登山道を進んでいくと
ベンチがいくつも置かれていた


展望地からはこの景色


樹林帯から抜けたので青空



帽子かぶらないと
日射病になっちゃうよ!
ふぁ~い


歩きながら ちがこさんは考えていた

え~と
忘れ物なかったかな?

ザックの支度は ちがこさんの係り

準備万端のつもりでも
忘れ物はあるかもね

う~んと
ヘッデン持ってるし アタックザックもある
食糧はOK テン場には水場もあるから問題ないか


と 気が付いてしまった

とんでもない忘れ物
ひとしさんに今すぐ
言うべきか?
言わぬべきか?
しばし迷ったものの いずれはバレてしまうので
正直に告白することにした

ひとしさーん
とんでもない物忘れた

ハァ



な なんですか?

振り返ると硬直状態の ひとしさん

なんかザックが小さいと思ったんですよ

どうするんですか?
朝方は冷えますよ

道のり半分
戻ってもどうにもならない

あ! そうだ!
何故だか真夏には使う予定のない
厳冬期仕様のイモムシスーツ(ダウン上下)を
持ってきたことを思い出した

なんとかなるっしょ

悩んでいても仕方ないので
このことは忘れることにする


展望のいいコースは左右の景色が
楽しめるので思わず足が止まってしまう




緩やかに登山道は標高を上げ
草原状の美しい登山道がどこまでも続いていた


ズーム

登山道外は高山植物を保護するため
ロープが張られ立ち入り禁止


ザックの重さに時折休憩
太郎兵衛平の小屋を目指し登っていく


薬師岳は花の百名山でもある


夏山を彩る花はさまざまで
場所によって色とりどりの花が咲いていた


必死で登っていく ひとしさんを横目に
ウロウロと花の撮影を楽しむ ちがこさん


草原状のコースは360度見渡しても
どこも素晴らしい景色で飽きることがない


パチパチ パチりんこ





おいてかれてる!
おいてかれてるってば!

小屋の屋根が近づいてきたころ
事態は急変した


四辻の分岐となる太郎兵衛平はガス


向かうテン場方向は


正面はアルプスの山々の絶景地



どうしますか?
時間早いですがテント張ってから
ピークハントに出かけますか?
目の前のガスを見ると
判断し兼ねる所


20分ほどステキな木道を歩いていく

ここからも素晴らしい景色を眺めることが
できるのだが ガスのおかげでイマイチ

まぁいいさ!
カラフルなテントが立ち並ぶ
薬師峠に到着


ここは小屋から離れているので
管理小屋に午後から受付のスタッフが出向いてくれる

キャンパーは好きな場所にテントを設営
水場で冷やしたビールも購入できるのが嬉しい

できるだけ平な場所がいいんですけど

ウロウロ物色していると
丁度テントをたたんでいる人を見つけた

じぃー
すると
ここ譲りますよ

たぶんここが このテン場で一番平な場所です

上段にもいい場所があるけど トイレが遠く
なっちゃうから不便かな?
そう言うとささっとテントをたたんでくれた

ラッキー
話によれば 昨日は夕方からひどい雨で
とてもテント外では作業できなかったそうだ

どうする?
山頂アタック明日にする?
時刻はまだ昼
行けそう?ですね

雨が降る前に帰ってこれるといいですが
今日登れば 明日の行程は短くなりますから

ゆとりができますね

うじゃうじゃ話しながら
テント設営完了


散々迷ったあげく


狭く急な沢沿いのゴロゴロした石をつかみ
稜線に向かってずんずん登る


沢沿いにも大輪の花が待っていた


ゴロゴロ石が終わると周囲は開け
花畑が広がる


わ~お

雪渓と花と青い空


いつの間にか
ガスはいない



ゴキゲンに木道を進んでいくと
大きなケルンがあった


そこから見えたのは


進むべき薬師岳への稜線は右に大きくカーブし
更に上へ上へと続いていた


稜線から見た美しい南陵カール
その上を歩くのだ


ハイマツ帯になった稜線を進むと
薬師岳山荘に出る


カールの上に出れば 西側方向の展望が開け
遮る物のない山の稜線はステキ


山荘から見えるピークの上には
目印のように人工物が建っているのが見える


ところが

なんじゃい なんじゃい
これからって時に


なんか最近ガスに
邪魔されてばかりですね


かろうじてガスの切れ間から
東方向の景色が見える


赤牛岳はいつか行きたい山のひとつ

読売新道を経てロングなコースだけど
チャンスがあれば是非とも歩きたい

赤牛はそんなに簡単じゃないよ

わかってるしぃー

進むべき方向


まだガスはいない
それでも西方向から巻き上がるように
ガスが近づいているのでのんびりしてはいられない

がんば! がんば!

ほとんど横移動の標高差のない稜線
小ピークを巻き山頂が徐々に近づいた

と

あっという間に真っ白になっていく山頂

山頂標識があるから薬師岳ってわかるけど
周囲の景色は望めないってのもねぇー


ここからは立山・剣の勇壮な山々が見えたはず

くそー
みえん


で こっちは赤牛ちゃんが
こんにちわしてるはず

くそー
よくみえん


しばし山頂で記念撮影しながらガスが立ち退くのを
待ってはみたものの ますますガスは深くなる一方

下山しますか


遠く遥か彼方から忍び寄る足音
ゴロゴロ・・・

景色がダメなら花の撮影し~よおっと


のん気に稜線を下る ちがこさんとは裏腹に
ひとしさんは気が気ぢゃないらしい

ヤバいです

ヤバいです

さりげなく近寄る怪しいガス


こんな稜線 かくれ場所があるわけもなく
ピカっと一発来たら それこそお陀仏

ゴロゴロ聞こえる音を背に
必死で稜線を早足で下る


ひぇぇぇぇ。。。
途中 ふたりのおばさんとすれ違った

雷が近づいてますよ

危ないですから進まない方がいいと思います

それでも勇敢に おばさんたちは
山頂に向かって進んで行った

山荘まで下り通過するころ

おばさんたちは 同じく下山してきたお兄さんに
止められたのか 山を下る姿が見えた

あ~よかった
危ないよね 雷わ

稜線から離れ標高が下がるとガスは消え
カンカン照りの日差しが眩しく輝いている


山のお天気って
ほんときまぐれ


峠のテン場に到着

予定時間より かなりの短縮
もしかして雷のおかげ?
かもね

かもね

ふたりで顔を見合わせて笑った

シュラフがなくて無事 ひとちがは
朝を迎えることができたのか?

