2013年09月25日
地図にないルート? 本編
2013/9/22
廃道を歩く!
棚横手
(大菩薩連嶺エリア)
全山行 380回

棚横手の情報はこちら
廃道コースの情報は予告編で 
標高 甲州高尾山(剣ヶ峰) 1091.9M
棚横手 1306.2M 大滝山
天気
晴れ
山行時間 8時間
〈コース〉勝沼小(廃校)8:00-高尾山飯縄神社(9:00)-舗装路・分岐-剣ヶ峰-
甲州高尾山(10:15)-富士見台(11:00-11:10)-棚横手(11:40)-大滝山(12:00)-
棚横手(12:30)-分岐(12:50)-展望台-大滝不動尊(1:30)-三滝橋-キャンプ場-
大滝不動尊前宮(2:30)かつぬまぶどうきょう駅-大日影トンネル(3:00-3:30)-
勝沼トンネルワインカーブ-勝沼小(4:00)
ともかく
ヤブ漕ぎの連続
本 編
日帰り山行を計画した ひとちが
向かった先は 甲州高尾山
(イエー
)
その奥に 山梨百名山のひとつ
棚横手 があるのだ

一般ルートとして 大善寺コース
そして 大滝不動尊コース があるのだが
どちらも観光ルートなので危険も少ない
マイカー登山だと いつも困るのが駐車場
(はぁ。。。)
なけりゃ 山には登れないもんね
大善寺コースから登ろうと計画していたものの
国道20号沿いのお寺の駐車場は有料
拝観料として ひとり500円
ケチだねぇー
ふたりで1000円じゃいいじゃん
それに 入口には
「参拝者意外の駐車はお断り」 と
あ゛―
そうなんだ
仕方ないので ピンポンを鳴らして
お寺のおばちゃんを呼び出した
すみませーん
甲州高尾山に登りたいんですが
このへんに駐車場はありませんか?
それなら先の信号を左に曲がっていくと
廃校になった分校があるよ
駐車しても大丈夫
車ならここから5分
そこから高尾山に登る人もいるみたいよ
えっ?
初耳
地図に記載されていないルートがあるんだ
それも駐車場付
こりゃ 登らない手はない
おばさんに言われた通り
信号を曲がって菱山深沢林道に入った
林道といっても フツーの舗装路
道路脇には ぶどう畑が広がり
なんとものどかな風景
(よいですなぁー
)
所々に人家もあり車は標高を上げていく
おばちゃん車で5分って言ったけど
なんか遠いよね
そうですねぇー
どこに廃校があるんでしょうか
しばらくウロウロすると看板を発見

やっぱりここだ

坂の上を見上げると人家より大きい建物が見えた
ちょっと見てきますね
ひとしさんは車を降りると
足早に坂を登って行く

ありましたぁー
本日始点となる廃校に到着
(よっしゃ
)

手持ちの地図を見ても登山道の記載はない
しかぁーし廃校の横には登山口らしき看板
怪しい

苔むして古ぼけているものの
高尾山参道 と書かれているわけだから
きっと山には通じているはず

行ってみる?
そうですね
行ってみますか
この時点で 廃道化したルートであることを
ひとちがが知る由もなかった
道なりに登っていくと 目の前に黄色の網
動物進入防止ネット
鍵がついてるわけじゃないし
「登るな」 とも書いてないから
通ってもいいんだよね
ブツブツ言いながら ネットに手をかけ
いざ 障害物競走?

ふがぁー
ひっかかってとれません
ちょっとしたザックのベルトやストックに
ネットがからまり なかなか通過できない
出だしイッパツ
もがく ひとしさん
(あはは。。。)

道の幅は広いものの 人が踏んでいないような
枯葉の積もった道が続いている

そしてこれ

まさかクマの罠じゃないでしょうね?
中にお客さんはいないものの
大きく開かれた罠の中にはエサ箱が
ボコボコに食いちぎられ 獣の獰猛さを伺わせる

慌ててお尻を振りながらクマ鈴を鳴らす ひとしさん
ガラ ガラ ガラ

道が二手に分かれた
左方向に鳥居が見える
こっちがきっと登山道だ

標となるものもなく
感で進むっきゃない
急登が始まった
しっかりしたルートはあるものの ボコボコで
とても人が歩いているような道とは思えない
(ひょぇぇ。。。)

甲州高尾山の登山道だから
もっと整備された道かと思っていたのにね
大丈夫でしょうか

廃校の駐車場には車は一台もなく
道標も赤テープもない荒れた道を
登っていくわけだから 誰だって不安になる
行けるんじゃない!
ちがこさんがコワイのは 行ったことのない山でも
道でもおかまいなしに 知ったかぶって進んでしまうことだ
不安そうな ひとしさんを横目に
ズンズン ちがこさんは急登を登っていく
俄然 強気

ハァ
ハァ
ハァ
道は次第にヤブになり
なんとなぁーく こっちかな?
と思われる薄い踏み跡を追う
汗が噴き出す
さすが9月の低山 猛烈に蒸し暑い
ポンと立派な神社に飛び出た
入り口の石門は古いが社殿はまだ新しいように見える

木々の間から 町の景色が広がっていた

それにしても暑いよねぇー
はい
汗ダラダラですぅー
水分補給 ちょっと休憩
それからが大変だった
第一難関
道がみつからない
まずは 神社の敷地周辺を物色
周囲はヤブで 踏み跡すら見つからない
仕方がないので 神社の敷地を少し下り
踏み跡がないか探してみるものの
やっぱり登山道らしきものはない
どうすりゃいいの?
もしかして参道ってのはここまでで
神社が終点なのかもしれませんよ
安全パイの ひとしさん
俄然 弱気
でもさぁー
高尾山登山口 って看板があったわけだから
きっと登山道はあるはずだよ
真っ直ぐ登れば剣ヶ峰の下に出るはず
半分諦めムードの ひとしさんを横目に
ウロウロ ヤブの中を物色する ちがこさん
たぶん こっちだ!
バサ バサ バサ
神社の左横にある石塔の裏のヤブを掻き分けると
薄い踏み跡のようなものが なんとなぁーく続いていた
道が見つからない時は どこも道のように
見えるもんですよ
どこまでも疑い深い ひとしさん
そんなことは気にする様子もなく
ちがこさんは あるんだか ないんだか
わからない尾根のヤブ道をズンズン登って行く
突撃!
ハァ
ハァ
ハァ

こーなると 止めても言うことを聞かない
ちがこさんだから シブシブ ひとしさんも
後を追うしかないのだ
ハァ
ハァ
ハァ

登っても 登っても 赤テープも標識もない
ボサボサにのびた雑草は無敵で
ヤブを漕ぎやすい場所を選んで登るしかないのだ
(きゃぁー
)
ルートファインディング
バサ バサ バサ

ぐぇぇぇぇ。。。
ちがこさん
大丈夫ですかぁー?

ボタボタと汗がしたたり落ち
露出した肌はヤブのおかげで傷だらけ
それでも登るしかない

今更 戻って別ルートを
歩こうなんてゴメンだ

あっ これ!
水分をとろうと立ち止まった場所の木に
申し訳なさそうに道標がついている

これが最初で最後のヤブ道の道標でした
やっぱり間違ってない
不安だった ひとしさんの目が輝いた
きっともうすぐ林道と交わるはずです
このまま突き進みましょう
バサ バサ バサ
ハァ
ハァ
ハァ

たぶんこのコース
どのコースよりも急登間違いなし
(あは。)
開けた山斜面の展望地から
山々の姿が見える

無敵のヤブルート
ヤケクソになって
ヤブを漕ぎ続ける ひとちが
バサ バサ バサ

見上げると ヤブの間から
白いガードレールが チラっと見えた
おっ!
林道に出た

ガサゴソ ヤブの中から
ひとしさんも こんにちは

出ましたね 林道
うん

これじゃ このルートの出入り口は
わかんないはずだね
廃道ってことでしょうか?
すごいヤブでしたから このコースを
登る人はまずいないんでしょうね
お寺のおばちゃん
本当にこのコース登る人いるんかい?
林道から見える景色

がんばってヤブを漕いだ
ご褒美なのか?

正規ルートに合流
ここからは安心・安全ルート

思いっきり低山ムードの 整備されたゆるやかな
稜線を小さなコブをアップダウンしながら進んで行く
うが
うが
うが
うが

甲州高尾山の剣ヶ峰
標識しかないけど まぁよし

うが
うが
うが
うが
甲州高尾山のピークもやっぱり
標識しかないけど まぁ いいか

とても不思議なのは山の中間に立派な神社が
あるのに何故山頂には祠のひとつもないのかってこと
それでも廃道となっている深沢ルートは
かつて甲州高尾山の参道として地元では賑わっていた
正道ルートに違いないと確信
(そう! そう!)
この山は 棚横手と呼ばれるだけあって
横に尾根が長いのが特徴
すぐ下には舗装路の林道がはしり
景観がやや損なわれるのが難点

刈り掃われた山斜面からは
南側の展望が開け遮る物もない
うが
うが
うが
うが

のんびり歩く低山もなかなかいいもんだ
今日の目的地 棚横手が小さく見えた

まだ先は長い

うが
うが
うが
うが

陽当りのいい登山道は 尋常なく暑い

そして誰も歩いていない

それでも秋は進んでいた

夏の花は終わってしまっているものの
小さな秋が山にいる


富士見台に到着
(よっしゃ
)

微妙にしか見えない富士山も
見えないよりはマシ ということで
よしとしよう
(イエー
)

山ごはんは 味ごはんのおむすび
富士山を眺め 笹子峠付近の山々を物色しながら
パクパク食べる おむすびは最高♪

下山時に下るコースの分岐を確認しながら
棚横手のピークを目指す
うが
うが
うが
うが

展望のない棚横手の山頂に無事到着
(やったね
)

その先にある大滝山まで足を伸ばすことにする
破線ルートに突入

稜線に沿って歩いていくと
大滝山方向は あまり人が入らないらしく
やはりここもヤブ道になっていた
作業用の林道が数本交差し
本ルートより整備されているので間違えやすい
バサ バサ バサ

倒木も多く 草を掻き分け

倒木をまたぎ 目指す大滝山へ登って行く

登りきった場所は ちょっとはまとも
落ち始めたドングリを拾い
秋の工作の準備も万端
(うひひ)

たぶん ここが山頂であろうと
思われる場所に到着
なんか 地味
っていうか 何にもない

じゃなかった
転がってた

腐り倒れていた白い棒が
大滝山ピークの標識

これまた不思議なのは 甲州高尾山と同様
麓には立派な大滝不動尊なる神社があるのに
大滝山の山頂には祠のひとつもない
せめて展望がなくとも
ありがたい祠でもあったらいいのに
と思うのは ちがこさんだけだろうか?
ともかく目的の山をすべて登ったことで大満足
帰ることにする
(うりゃ
)

富士見台手前の分岐から周遊するために
大滝不動尊方向に下ることに
と 目の前にあったのは

周遊するためには
ここも越えにゃならん
意を決して再びヤブに突入
(ひょぇぇ。。。)
バサ バサ バサ

ヤブを抜けると暗い植林の登山道
なんかやたら暗くて
サングラスだとよく見えません
さっきの あぢぃー稜線とは
エラい違いだよね
林道にポンと出る

地図には 崩壊した林道 と危険マークが
ついてはいるものの それほど危ない感じもしない

林道からは 大滝と立派な赤い社殿の大滝不動尊
上から眺めることができるから得した気分

ズンズン広い林道を下ると分岐

展望台があるってことなので

のびた立木のおかげで展望は全くない
(ぶぅ。。。)

損した気分
不動尊へのルートを下る

誰もいない大滝不動尊

ヤブ歩きを終え 無事目的のピークを
踏めたことを感謝し手を併せた

社殿の裏手には 立派にのびる一本滝

社殿を通過 長い階段を下りると
入口の立派な門に出た

ここから先は 舗装路を1時間半
勝沼ぶどうきょう駅までタクシーを使うと
なんと3000円もかかるのだ!
当然 歩くっきゃないでしょ
あたり前です
ノルディックウォーキングみたいにストックを
使いながら軽快に舗装路を下っていく
すたこら すたこら

三滝橋からキャンプ場を通過

前宮を横目に 住宅街を抜け駅に向かった

さすが ぶどう郷というだけあって
住宅街の近くにも ぶどう畑が広がり
たわわに実った ぶどうには白い袋

あー
一粒食べたい
ダメだよ
ドロボウになっちゃうから
わかってるって
帰りのコースで 楽しみにしていたのは
駅の横から通じている 大日影トンネル遊歩道

現在使われている電車の通るトンネルの横に
古い歴史ある遊歩道のトンネルがあるのだ
実はこのトンネル 通行時間があるため
下山時 ひとしさんは とても焦っていた

4時までにトンネルに行けないと
トンネルの門が閉められちゃう
ちがこさん
早く歩いて下さい
わかってるって
まだ 心配があった
4時までにトンネルに入れたとしても
通過するのに30分もかかるわけだから
4時を過ぎれば出口が閉められちゃう
ちがこさん
もっと早く歩いて下さい
わかってるって
更に 心配だったのは
長いトンネルを30分も這わなきゃいけないのか?
30分も這えません

そして一番の心配は
今日はヘッデン持ってきてない
暗いと前が見えませぇ~ん
ひとち
大日影トンネルって観光地なんだよ
這って通過するわけじゃないから
それに ちゃんと電気もついてるしぃー
あ?
そうなんですか?
ちょっと安心
では さっそく中に入ってみることにする

たくさんの観光客が トンネルの両脇にある
遊歩道をテクテク歩いていた
通路の真ん中には線路

トンネルは外気が遮断され 超涼しい
夏場観光するにはいいかも

ぼんやりと見える足元は遊歩道なので
凸凹があるわけでもなく平坦で歩きやすい
中間地点に到達

古いレンガ積みのトンネルは
昔にタイムワープしたみたいで面白い

問題なく3時半には出口に
あー よかったですぅー
観光トンネルも楽しめて
トンネルの出口にある ワインカーブに
受付を済ませお邪魔

そんじゃ
入ってみるね

わ~お
たくさんのワインが並んでる

菱山深沢林道をテクテク歩いて
廃校の駐車場へゴール
車で移動
家の作業場で ぶどうの出荷準備を
している おじいちゃんに声をかけ
お家ぶどう(商品にならないぶどう)を
格安で譲ってもらった

わ~い
ドロボウしなくても
美味しい採れたてぶどうが手に入ったね
うん
帰りは観光客でコミコミの ぶどうの丘から
今日登った山を眺めたよ

今週も ひとちが おつかれさん♪
この日の立ち寄り湯はこちら
ぶどうの丘 天空の湯
ぶどうの季節はコミコミなので近寄らない方がいいかも
廃道を歩く!
棚横手
(大菩薩連嶺エリア)
全山行 380回





標高 甲州高尾山(剣ヶ峰) 1091.9M
棚横手 1306.2M 大滝山
天気

山行時間 8時間
〈コース〉勝沼小(廃校)8:00-高尾山飯縄神社(9:00)-舗装路・分岐-剣ヶ峰-
甲州高尾山(10:15)-富士見台(11:00-11:10)-棚横手(11:40)-大滝山(12:00)-
棚横手(12:30)-分岐(12:50)-展望台-大滝不動尊(1:30)-三滝橋-キャンプ場-
大滝不動尊前宮(2:30)かつぬまぶどうきょう駅-大日影トンネル(3:00-3:30)-
勝沼トンネルワインカーブ-勝沼小(4:00)
ともかく
ヤブ漕ぎの連続

本 編
日帰り山行を計画した ひとちが
向かった先は 甲州高尾山

(イエー

その奥に 山梨百名山のひとつ
棚横手 があるのだ


一般ルートとして 大善寺コース
そして 大滝不動尊コース があるのだが
どちらも観光ルートなので危険も少ない

マイカー登山だと いつも困るのが駐車場

(はぁ。。。)
なけりゃ 山には登れないもんね

大善寺コースから登ろうと計画していたものの
国道20号沿いのお寺の駐車場は有料

拝観料として ひとり500円

ケチだねぇー
ふたりで1000円じゃいいじゃん

それに 入口には
「参拝者意外の駐車はお断り」 と

あ゛―
そうなんだ

仕方ないので ピンポンを鳴らして
お寺のおばちゃんを呼び出した

すみませーん

甲州高尾山に登りたいんですが
このへんに駐車場はありませんか?
それなら先の信号を左に曲がっていくと
廃校になった分校があるよ

駐車しても大丈夫

車ならここから5分

そこから高尾山に登る人もいるみたいよ

えっ?
初耳
地図に記載されていないルートがあるんだ
それも駐車場付

こりゃ 登らない手はない

おばさんに言われた通り
信号を曲がって菱山深沢林道に入った

林道といっても フツーの舗装路

道路脇には ぶどう畑が広がり
なんとものどかな風景

(よいですなぁー

所々に人家もあり車は標高を上げていく

おばちゃん車で5分って言ったけど
なんか遠いよね

そうですねぇー
どこに廃校があるんでしょうか

しばらくウロウロすると看板を発見


やっぱりここだ


坂の上を見上げると人家より大きい建物が見えた

ちょっと見てきますね

ひとしさんは車を降りると
足早に坂を登って行く


ありましたぁー

本日始点となる廃校に到着

(よっしゃ


手持ちの地図を見ても登山道の記載はない

しかぁーし廃校の横には登山口らしき看板

怪しい

苔むして古ぼけているものの
高尾山参道 と書かれているわけだから
きっと山には通じているはず


行ってみる?
そうですね
行ってみますか

この時点で 廃道化したルートであることを
ひとちがが知る由もなかった

道なりに登っていくと 目の前に黄色の網
動物進入防止ネット

鍵がついてるわけじゃないし
「登るな」 とも書いてないから
通ってもいいんだよね

ブツブツ言いながら ネットに手をかけ
いざ 障害物競走?

ふがぁー

ひっかかってとれません

ちょっとしたザックのベルトやストックに
ネットがからまり なかなか通過できない

出だしイッパツ
もがく ひとしさん

(あはは。。。)

道の幅は広いものの 人が踏んでいないような
枯葉の積もった道が続いている


そしてこれ


まさかクマの罠じゃないでしょうね?
中にお客さんはいないものの
大きく開かれた罠の中にはエサ箱が
ボコボコに食いちぎられ 獣の獰猛さを伺わせる


慌ててお尻を振りながらクマ鈴を鳴らす ひとしさん

ガラ ガラ ガラ

道が二手に分かれた
左方向に鳥居が見える

こっちがきっと登山道だ


標となるものもなく
感で進むっきゃない

急登が始まった

しっかりしたルートはあるものの ボコボコで
とても人が歩いているような道とは思えない

(ひょぇぇ。。。)

甲州高尾山の登山道だから
もっと整備された道かと思っていたのにね

大丈夫でしょうか


廃校の駐車場には車は一台もなく
道標も赤テープもない荒れた道を
登っていくわけだから 誰だって不安になる

行けるんじゃない!
ちがこさんがコワイのは 行ったことのない山でも
道でもおかまいなしに 知ったかぶって進んでしまうことだ

不安そうな ひとしさんを横目に
ズンズン ちがこさんは急登を登っていく

俄然 強気


ハァ



道は次第にヤブになり
なんとなぁーく こっちかな?
と思われる薄い踏み跡を追う

汗が噴き出す

さすが9月の低山 猛烈に蒸し暑い

ポンと立派な神社に飛び出た

入り口の石門は古いが社殿はまだ新しいように見える


木々の間から 町の景色が広がっていた


それにしても暑いよねぇー

はい
汗ダラダラですぅー

水分補給 ちょっと休憩

それからが大変だった

第一難関
道がみつからない
まずは 神社の敷地周辺を物色
周囲はヤブで 踏み跡すら見つからない

仕方がないので 神社の敷地を少し下り
踏み跡がないか探してみるものの
やっぱり登山道らしきものはない

どうすりゃいいの?
もしかして参道ってのはここまでで
神社が終点なのかもしれませんよ

安全パイの ひとしさん
俄然 弱気

でもさぁー
高尾山登山口 って看板があったわけだから
きっと登山道はあるはずだよ

真っ直ぐ登れば剣ヶ峰の下に出るはず

半分諦めムードの ひとしさんを横目に
ウロウロ ヤブの中を物色する ちがこさん

たぶん こっちだ!
バサ バサ バサ
神社の左横にある石塔の裏のヤブを掻き分けると
薄い踏み跡のようなものが なんとなぁーく続いていた

道が見つからない時は どこも道のように
見えるもんですよ

どこまでも疑い深い ひとしさん

そんなことは気にする様子もなく
ちがこさんは あるんだか ないんだか
わからない尾根のヤブ道をズンズン登って行く

突撃!
ハァ




こーなると 止めても言うことを聞かない
ちがこさんだから シブシブ ひとしさんも
後を追うしかないのだ

ハァ




登っても 登っても 赤テープも標識もない

ボサボサにのびた雑草は無敵で
ヤブを漕ぎやすい場所を選んで登るしかないのだ

(きゃぁー

ルートファインディング
バサ バサ バサ

ぐぇぇぇぇ。。。
ちがこさん
大丈夫ですかぁー?

ボタボタと汗がしたたり落ち
露出した肌はヤブのおかげで傷だらけ

それでも登るしかない


今更 戻って別ルートを
歩こうなんてゴメンだ


あっ これ!
水分をとろうと立ち止まった場所の木に
申し訳なさそうに道標がついている


これが最初で最後のヤブ道の道標でした

やっぱり間違ってない

不安だった ひとしさんの目が輝いた

きっともうすぐ林道と交わるはずです
このまま突き進みましょう

バサ バサ バサ
ハァ




たぶんこのコース
どのコースよりも急登間違いなし

(あは。)
開けた山斜面の展望地から
山々の姿が見える


無敵のヤブルート
ヤケクソになって
ヤブを漕ぎ続ける ひとちが

バサ バサ バサ

見上げると ヤブの間から
白いガードレールが チラっと見えた

おっ!
林道に出た


ガサゴソ ヤブの中から
ひとしさんも こんにちは


出ましたね 林道

うん


これじゃ このルートの出入り口は
わかんないはずだね

廃道ってことでしょうか?
すごいヤブでしたから このコースを
登る人はまずいないんでしょうね

お寺のおばちゃん
本当にこのコース登る人いるんかい?
林道から見える景色


がんばってヤブを漕いだ
ご褒美なのか?

正規ルートに合流

ここからは安心・安全ルート


思いっきり低山ムードの 整備されたゆるやかな
稜線を小さなコブをアップダウンしながら進んで行く

うが





甲州高尾山の剣ヶ峰

標識しかないけど まぁよし


うが




甲州高尾山のピークもやっぱり
標識しかないけど まぁ いいか


とても不思議なのは山の中間に立派な神社が
あるのに何故山頂には祠のひとつもないのかってこと

それでも廃道となっている深沢ルートは
かつて甲州高尾山の参道として地元では賑わっていた
正道ルートに違いないと確信

(そう! そう!)
この山は 棚横手と呼ばれるだけあって
横に尾根が長いのが特徴

すぐ下には舗装路の林道がはしり
景観がやや損なわれるのが難点


刈り掃われた山斜面からは
南側の展望が開け遮る物もない

うが





のんびり歩く低山もなかなかいいもんだ

今日の目的地 棚横手が小さく見えた


まだ先は長い


うが





陽当りのいい登山道は 尋常なく暑い


そして誰も歩いていない


それでも秋は進んでいた


夏の花は終わってしまっているものの
小さな秋が山にいる



富士見台に到着

(よっしゃ


微妙にしか見えない富士山も
見えないよりはマシ ということで
よしとしよう

(イエー


山ごはんは 味ごはんのおむすび

富士山を眺め 笹子峠付近の山々を物色しながら
パクパク食べる おむすびは最高♪

下山時に下るコースの分岐を確認しながら
棚横手のピークを目指す

うが





展望のない棚横手の山頂に無事到着

(やったね


その先にある大滝山まで足を伸ばすことにする

破線ルートに突入


稜線に沿って歩いていくと
大滝山方向は あまり人が入らないらしく
やはりここもヤブ道になっていた

作業用の林道が数本交差し
本ルートより整備されているので間違えやすい

バサ バサ バサ

倒木も多く 草を掻き分け


倒木をまたぎ 目指す大滝山へ登って行く


登りきった場所は ちょっとはまとも

落ち始めたドングリを拾い
秋の工作の準備も万端

(うひひ)

たぶん ここが山頂であろうと
思われる場所に到着

なんか 地味

っていうか 何にもない


じゃなかった
転がってた


腐り倒れていた白い棒が
大滝山ピークの標識


これまた不思議なのは 甲州高尾山と同様
麓には立派な大滝不動尊なる神社があるのに
大滝山の山頂には祠のひとつもない

せめて展望がなくとも
ありがたい祠でもあったらいいのに

と思うのは ちがこさんだけだろうか?
ともかく目的の山をすべて登ったことで大満足
帰ることにする

(うりゃ


富士見台手前の分岐から周遊するために
大滝不動尊方向に下ることに

と 目の前にあったのは


周遊するためには
ここも越えにゃならん

意を決して再びヤブに突入

(ひょぇぇ。。。)
バサ バサ バサ

ヤブを抜けると暗い植林の登山道

なんかやたら暗くて
サングラスだとよく見えません

さっきの あぢぃー稜線とは
エラい違いだよね

林道にポンと出る


地図には 崩壊した林道 と危険マークが
ついてはいるものの それほど危ない感じもしない


林道からは 大滝と立派な赤い社殿の大滝不動尊
上から眺めることができるから得した気分


ズンズン広い林道を下ると分岐


展望台があるってことなので


のびた立木のおかげで展望は全くない

(ぶぅ。。。)

損した気分

不動尊へのルートを下る


誰もいない大滝不動尊


ヤブ歩きを終え 無事目的のピークを
踏めたことを感謝し手を併せた


社殿の裏手には 立派にのびる一本滝


社殿を通過 長い階段を下りると
入口の立派な門に出た


ここから先は 舗装路を1時間半

勝沼ぶどうきょう駅までタクシーを使うと
なんと3000円もかかるのだ!
当然 歩くっきゃないでしょ

あたり前です

ノルディックウォーキングみたいにストックを
使いながら軽快に舗装路を下っていく

すたこら すたこら

三滝橋からキャンプ場を通過


前宮を横目に 住宅街を抜け駅に向かった


さすが ぶどう郷というだけあって
住宅街の近くにも ぶどう畑が広がり
たわわに実った ぶどうには白い袋


あー
一粒食べたい

ダメだよ
ドロボウになっちゃうから

わかってるって

帰りのコースで 楽しみにしていたのは
駅の横から通じている 大日影トンネル遊歩道


現在使われている電車の通るトンネルの横に
古い歴史ある遊歩道のトンネルがあるのだ

実はこのトンネル 通行時間があるため
下山時 ひとしさんは とても焦っていた


4時までにトンネルに行けないと
トンネルの門が閉められちゃう

ちがこさん
早く歩いて下さい

わかってるって

まだ 心配があった

4時までにトンネルに入れたとしても
通過するのに30分もかかるわけだから
4時を過ぎれば出口が閉められちゃう

ちがこさん
もっと早く歩いて下さい

わかってるって

更に 心配だったのは

長いトンネルを30分も這わなきゃいけないのか?
30分も這えません


そして一番の心配は

今日はヘッデン持ってきてない

暗いと前が見えませぇ~ん

ひとち
大日影トンネルって観光地なんだよ

這って通過するわけじゃないから
それに ちゃんと電気もついてるしぃー

あ?
そうなんですか?

ちょっと安心

では さっそく中に入ってみることにする


たくさんの観光客が トンネルの両脇にある
遊歩道をテクテク歩いていた

通路の真ん中には線路


トンネルは外気が遮断され 超涼しい
夏場観光するにはいいかも


ぼんやりと見える足元は遊歩道なので
凸凹があるわけでもなく平坦で歩きやすい

中間地点に到達


古いレンガ積みのトンネルは
昔にタイムワープしたみたいで面白い


問題なく3時半には出口に

あー よかったですぅー
観光トンネルも楽しめて

トンネルの出口にある ワインカーブに
受付を済ませお邪魔


そんじゃ
入ってみるね


わ~お
たくさんのワインが並んでる


菱山深沢林道をテクテク歩いて
廃校の駐車場へゴール

車で移動

家の作業場で ぶどうの出荷準備を
している おじいちゃんに声をかけ
お家ぶどう(商品にならないぶどう)を
格安で譲ってもらった

わ~い

ドロボウしなくても
美味しい採れたてぶどうが手に入ったね

うん

帰りは観光客でコミコミの ぶどうの丘から
今日登った山を眺めたよ


今週も ひとちが おつかれさん♪


ぶどうの丘 天空の湯
ぶどうの季節はコミコミなので近寄らない方がいいかも

Posted by ひとちが at 14:10│Comments(2)
│大菩薩連嶺エリア
この記事へのコメント
拝読いたしました。
人工物と交差しながら、しかも藪、藪、藪。
流石ひとちがさんですね。
なんかこう誰もいないところを、がしがし
ルートファインディングしながら、ピークに
立った時のお二人の充実感がよく伝わってきます。
実はお二人のレコを参考にこ梅雨の季節に
鶏冠山いったんですよ~!
めっちゃ愉しかったっす。僕らは鶏冠尾根を
木賊山まで縦走しましたが、ガスで進路不明
なこともあり、一度プチ道迷いして、もう少しで
谷に落ちるところでした(バカ)。
シャクナゲのやろうがテント用の80リットルザックに
噛み付くのでへとへとでしたけどすっごく好かったです。
参考にさせて頂いたおかげです。
ちなみに途中ハーネスにヘルメットのソロクライマー
2名としかすれ違わなかったです…。むこうのほうが
ぎょっとしてましたけど。
妻は「もう二度といやっ!」と言ってますけど(笑)。
どしどし破線ルートの開拓お願いしまする。
人工物と交差しながら、しかも藪、藪、藪。
流石ひとちがさんですね。
なんかこう誰もいないところを、がしがし
ルートファインディングしながら、ピークに
立った時のお二人の充実感がよく伝わってきます。
実はお二人のレコを参考にこ梅雨の季節に
鶏冠山いったんですよ~!
めっちゃ愉しかったっす。僕らは鶏冠尾根を
木賊山まで縦走しましたが、ガスで進路不明
なこともあり、一度プチ道迷いして、もう少しで
谷に落ちるところでした(バカ)。
シャクナゲのやろうがテント用の80リットルザックに
噛み付くのでへとへとでしたけどすっごく好かったです。
参考にさせて頂いたおかげです。
ちなみに途中ハーネスにヘルメットのソロクライマー
2名としかすれ違わなかったです…。むこうのほうが
ぎょっとしてましたけど。
妻は「もう二度といやっ!」と言ってますけど(笑)。
どしどし破線ルートの開拓お願いしまする。
Posted by hituzo at 2013年09月26日 17:48
hituzoさんへ♪
今回もケチが勝利して周遊コースでも廃道歩きに
なってしまいました・・・
終わってしまえば充実感でいっぱいの山歩きでしたが
あのヤブには参りましたよ。
とほほ。。。
秋だからまだマシ?だったのか yamabukiさんが
おっしゃる通り夏場のもっと暑い時期なら山ダニの
攻撃にさらされていたかもしれません。
できれば冬の雪がある時期の方が楽しいかもしれません。
(ヤブも多少はよくなるかも?)
笹ヤブも悲惨ですが 雑草のモサモサもなかなか
大変でツフーに歩けば何のことない山頂もとても
神々しいものに感じました。
帰りの大滝不動から舗装路の林道を町まで下るのは
長いですが隧道歩きは楽しいのでオススメ!
(観光客の方々には汗臭くて申し訳なかったですが)
味を占めたので 日帰り登山の時は ヤブ・廃道歩きが主になると
思います。
もし行かれていないようでしたら 雪のついた時期に
中央アルプスの経ヶ岳のバリエーションコースをオススメします。
笹ヤブですが雪の時期しか行けない面白いコースですよ!
2012/12/1 経ヶ岳
雪山ファインデイング参照
今回もケチが勝利して周遊コースでも廃道歩きに
なってしまいました・・・
終わってしまえば充実感でいっぱいの山歩きでしたが
あのヤブには参りましたよ。
とほほ。。。
秋だからまだマシ?だったのか yamabukiさんが
おっしゃる通り夏場のもっと暑い時期なら山ダニの
攻撃にさらされていたかもしれません。
できれば冬の雪がある時期の方が楽しいかもしれません。
(ヤブも多少はよくなるかも?)
笹ヤブも悲惨ですが 雑草のモサモサもなかなか
大変でツフーに歩けば何のことない山頂もとても
神々しいものに感じました。
帰りの大滝不動から舗装路の林道を町まで下るのは
長いですが隧道歩きは楽しいのでオススメ!
(観光客の方々には汗臭くて申し訳なかったですが)
味を占めたので 日帰り登山の時は ヤブ・廃道歩きが主になると
思います。
もし行かれていないようでしたら 雪のついた時期に
中央アルプスの経ヶ岳のバリエーションコースをオススメします。
笹ヤブですが雪の時期しか行けない面白いコースですよ!
2012/12/1 経ヶ岳
雪山ファインデイング参照
Posted by ひとちが
at 2013年09月27日 08:44

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