2009年10月15日
大冒険♪ 初日!
2009/10/09
谷川岳
全山行 149回
百名山 29座

標高 天神山 1502m 谷川岳・トマノ耳 1963.2m・オキノ耳 1977m 一ノ倉岳 1974.2m 茂倉岳 1977.9m 武能岳 1759.6m
天気
ガス・風・
雨・
氷
山行時間 7時間
距離 13.64km
〈コース〉天神平(8:30-8:50)-天神山(9:30-9:35)-熊穴沢避難小屋(10:20-10:30)-トマノ耳(11:45-11:50)-オキノ耳(12:00-12:05)-一ノ倉岳(12:55)-茂倉岳(1:25)-武能岳(2:50)-蓬ヒュッテ(3:30)
ガスと激しい雨の中に浮かび上がった 濡れた長い鎖が下がる 滑りやすい蛇紋岩・・・
一瞬 体が凍りついた。
三歩後退、顔を見合わせ これから進むべき道を選択する・・・
「どうする ひとしさん? 進む?」
ちがこさんは 戻るとは言わない。
「進もう・・・」
ひとしさんも覚悟を決めた!!
週末に向けて ちがこさんは ルンルンだった
(うしし。。。)
みなさんより 一日早い大型連休、
紅葉見物に 群馬、新潟の境にある 谷川岳縦走を計画していたからだ。
ガイドブックには 綺麗な
紅葉の尾根の写真が魅力的であ~る。
それに反して 書かれている記事は 谷川岳の恐ろしい歴史・・・
すべて本当のことであろうが ちがこさんの頭の中は
紅葉一色だから ひとしさんの
「天気予報は
雨です
」
という言葉も聞こえていないらしい・・・(
あちゃぁー、、、)
「
雨ねぇー♪ 」
計画、コースはバッチリだから ちょびっとの雨なんて へっちゃら! へっちゃら
土合橋の横にある駐車場に到着、そこは もちろん天気予報通りの雨・・・
はぁー? 雨?
ぶほぉぉぉぉーーーー・・・
なんで雨なわけぇー?(
ぶぅぅぅぅ!)
って ひとしさんが 雨っていってたじゃん!
聞いてなかったの ちがこさん?(
だってぇ~っ)
た、確か 雨っていってました・・・(
しょぼりん)
はぁぁぁ・・・・
山の上は ガスガスであ~る。
台風一過で お天気上々、ピーカンの空の下
紅葉で カラフルに彩られたお山を眺めながら ルンルンで歩く予定が 大ハズレもいい所
どうやら 選択する山を間違えた ちがこさんであった・・・
計画では、
日本三大急登と呼ばれる 西黒尾根を ウガウガ がんばって登る
トマノ耳、オキノ耳を ご機嫌に通過し、気持ちのよい尾根を歩き 蓬ヒュッテまで!
いわゆる 湯檜曽川源流をU字型に囲む山々を縦走する 【馬蹄型】と呼ばれるコースであ~る。
ところが この雨じゃぁ、険しい西黒尾根などもってのほか!
ひとしさん、今にも 山行中止命令を出しそうな勢い・・・
納得いかない ちがこさん。(
ふぇぇぇーーーっ)
「だってぇー、蓬ヒュッテに宿泊 お願いしちゃったしぃ~、西黒尾根がダメなら ロープウェイで ぴゅっと天神尾根に出ればいいじゃん! 時間もはしょれるし、カッパ山行でもいいもん
」
あまり のり気でない ひとしさんを ひきずって ロープウェイに乗り込む。
風が強く ロープウェイは 左右に振られ 雨が窓を流れていく・・・
ふと横を見れば、蒼白の顔で 固まっている ひとしさんがいた。
そう・・・
ブラブラ揺れる ロープウェイが怖いのだ!(
だははは・・・)
乗り合わせている 若いパーティーたちは 楽しそうに会話しているのに ひとしさんときたら 手を握り締め 口をへの字にして動かない。
『ひとしさぁ~ん、紅葉綺麗だよぉー♪ あ~っ! 滝みたいのもあるぅ~!』
ノーテンキな ちがこさんは ロープウェイの窓に張り付き きゃぁー きゃぁー 大喜びしてる。
『怖くない、怖くない、ロープウェイは 二本の手で がっちりワイヤーをつかんでいるんだから 落ちるわけがない。ナンマイダァー ナンマイダァー・・・
』

無事 天神平に到着。(
ほっ。)
さてと ここからが勝負であ~る。
そぼふる雨、カッパを着込み いざ出陣!(よっしゃ
)
天神山は なぜだかそれほど天気が悪くない。
雨は しょぼしょぼしているものの空は明るい・・・
さっそくスキー場のゲレンデを巻いて山頂に向かう ひとちが。
天候を気にして 天神尾根を谷川岳の山頂に直に向かえばいいものを 回り道してまで 端っこのお山から歩く所がオバカであった。(
いつものことですが、、、)

40分ほどかかって天神山の山頂にぃー♪(うひ!)
お♪ お♪ お♪なかなか景色もよろしい!

しかぁ~し、天神尾根の先の谷川岳の山頂方向には 怪しい雲が ドヨヨ~ンとかかっている・・・(あ~ぁ
)

はい、はい!
先に進みますよぉー
(うりゃ
)
整備されたトラバースの木道を下る。
でもって またもや登る・・・

熊穴沢非難小屋に到着、無人小屋だが綺麗な小屋であ~る。
お腹もペコペコ、この先 進むべき道を考えると 今食べておかなければ食事もとれない可能性大!(そう! そう!)
快適な小屋で 人目も気にせずパンを むしゃむしゃ。
お腹もとりあえずいっぱいになったことだし、先に進もうと小屋から一歩でたとたん スゴイ風と雨・・・(
がびび~ん!!)

うげぇぇーーー・・・
こんなでもいくんかいなぁー・・・
心の中で さっきロープウェイで払った 二人分の乗車賃が無駄になると ケチ根性丸出し!
も、もちろん 行きますとも!(やっぱし
)
ガスの中に時折
紅葉した山の斜面が見え隠れ。

この雨でも登山者がいるから ちょびっと安心

天狗の留まり場付近からは 更に風と雨が強くなる・・・
まるで 谷川岳が ひとちがを これでもかぁーっ と 歓迎してくれるような ひどい天気。(
ははは。。。)
飛ばされそうになりながら 肩の小屋から トマノ耳に・・・
うげぇぇぇぇーーーーっ!!
す、凄すぎます なんじゃこの風わぁーーーーーーっ!!
いつもじゃぁ、百円均一のデジカメの三脚で 人の手を借りることなく 上手に記念撮影をするのだが
カメラを下においたら最後、きっとどこかに ぶっ飛びそうな勢いであ~る。
とほほほほ・・・
写真はなしですかぁ・・・
(
しょぼん)
おっ♪ ラッキー
登山者がいたぞぉー
中型のザックのお尻に クルクルと銀マットを縛り付けた ちょいと コチャプなお兄さん。
「すみませぇ~ん、シャッター押してもらっていいですかぁー?」
にこやかに お兄さんは写真撮影に協力してくれた。
「撮りますよ!」
カシャ

その瞬間 も、猛烈な風・・・
うがぁぁぁぁーーーーーっ!!
山頂のポールに 必死で しがみつく ひとちが。
今 手を離したら 後ろの崖っぷちから滑落?
ガスで 自分達が どのような場所に立っているのかさえ 確認できない状況下。
ゴクリと唾を飲む。
「あ、ありがとうございました・・・ で、どこまで行かれるんですか?」
お礼ついでに聞いてみた。
「どこまで行こうか迷ってます。」
へっ?
迷ってるって 決めてないわけ?
コチャプなお兄さん、地図を持っている様子もない・・・
大丈夫かいな・・・
他の登山者は Uターンして天神尾根を帰っていく。(み~んな帰っちゃった・・・
)
残されたのは ひとちがと コチャプなお兄さんのみ・・・
お兄さんは先を行く、やっぱし 行くっきゃないわけね・・・(
とほほ。。。)
地図を見てコースを確認できたのは これが最後であった。
あまりの風の強さと雨のため地図を広げることができなかったのであ~る。
双耳峰のかたわれ、オキノ耳に到着。(よっしゃ
)
ここもまた スゴイ風と雨・・・
展望も
紅葉もへったくりも ありゃしない!

半泣き状態で更に進む・・・

オキノ耳のすぐ近く、奥の院には なぁ~んと富士浅間さんを祀った祠があるのだ!
富士山の根っこに住む ひとちがとしては 富士浅間さんとは 切っても切れぬ縁があるゆえ 手を合わさずにはいられない
のんびりはしていられません。
天気は益々悪化、無事 今日の宿泊地である 蓬峠まで なんとか歩かねば!
祠の横を通過しようと回りこんだ瞬間、目を疑った・・・(
げげげ・・・)
ガスと激しい雨の中に浮かび上がった 濡れた長い鎖が下がる蛇紋岩・・・
一瞬 体が凍りついた。
三歩後退、顔を見合わせ これから進むべき道を選択する・・・
「どうする ひとしさん? 進む?」
ちがこさんは 戻るとは言わない。
「進もう・・・」
ひとしさんも覚悟を決めた!!(エライぞ! ひとしさん!)
引き返すなら 今しかない。
しかし、危険と承知で前に進む。(
無謀な ひとちがの山行が始まっちゃいました!)
雨で濡れた鎖は イボイボつきの軍手でも滑る。
ここで手を離したら・・・・
頭の中で 滑落していく自分を想像すると恐ろしい。
先頭を行く ちがこさんは 振り返って ひとしさんを じっと見た。
「 いっくよぉー!! 」
岩は雨に濡れ ツルツルと足場も悪い、鎖に頼りたいところだが 腕力に自信のない ちがこさんである、必死に岩の隙間に山靴をひっかけ滑りそうになるのを耐えながら下っていった・・・

一ノ倉の断崖絶壁を進む。
ともかく怖い
ガスで 足元しか見えないわけだから 断崖絶壁がどのようなものかも確認できないのが恐怖を倍増させる。(
ひょぇぇぇ~~~っ。)
そして ひたすら風と雨に耐え忍ぶしかないのだ!
そして 前に向って進むことしかできないのだ!

最大の難所、ノゾキ。
心臓が バクバクして止まらない、断崖から 恐々覗いてみる。
ゴクリと唾を飲む。
大きく風が吹きぬける尾根は 細くキレた恐ろしいものだった・・・



ようやく茂倉岳に出た。(
ほっ。)
笹原の稜線が続く。
難所は無事通過できたとはいえ 油断はできない、笹尾根でも風の強さは変わることがないのだから・・・(
涙、、、)

雨は氷に変わった。
ゴーゴーと音をたてながら 真横に風が吹く。
同時に 米粒くらいの大きさの氷が カッパの帽子から出ている顔を直撃する。
「痛い 痛い 顔が痛いです・・・
」
後方で ひとしさんが 大声で叫んでいる。
いつもなら ひとしさんの足音が聞こえる山行も 今日はカッパと 吹き荒れる嵐のために音では ひとしさんの無事が確認できない。
時々 振り返りながら ひとしさんが ちゃんと後ろにいるか確認する ちがこさん。
疲れと緊張と不安と恐怖で ひとしさんの 吐き気症状が始まった。
後方から 「げぼげぼ・・・ おえぇぇーーーっ
」と何度も聞こえるけど仕方ない、進むっきゃないいんだから!
ここまでくるのに いったい いくつのピークを踏み、コブを いくつ越えたのか?
登っては下り、風と雨、そして氷に耐えながら 一歩一歩進んできた ひとちが。

そして武能岳。
展望のよいポイントだが 景色はガスしか見えない・・・

お腹がすいた
お天気など かまわずに雨と風の中で おむすびをパクつく。

笹原は続いた。
長い・・・
長すぎる・・・
お天気がよければ 美しい稜線を ご機嫌で山行できたはずなのに・・・(
はぁぁぁっ)

やっとのことで 蓬峠に到着することができた。
笹原に建つ 可愛い黄色い小屋が見える。
蓬ヒュッテ♪

やったぁー!!
冒険の一日目は ここで終了だ。
そして 恐ろしい 荒れ狂う谷川岳の縦走は翌日も続く・・・
乞うご期待!!
宿泊した山小屋の話
二日目の山歩きはこちら
最終日の山歩きはこちら
谷川岳
全山行 149回
百名山 29座
標高 天神山 1502m 谷川岳・トマノ耳 1963.2m・オキノ耳 1977m 一ノ倉岳 1974.2m 茂倉岳 1977.9m 武能岳 1759.6m
天気



山行時間 7時間
距離 13.64km
〈コース〉天神平(8:30-8:50)-天神山(9:30-9:35)-熊穴沢避難小屋(10:20-10:30)-トマノ耳(11:45-11:50)-オキノ耳(12:00-12:05)-一ノ倉岳(12:55)-茂倉岳(1:25)-武能岳(2:50)-蓬ヒュッテ(3:30)
ガスと激しい雨の中に浮かび上がった 濡れた長い鎖が下がる 滑りやすい蛇紋岩・・・
一瞬 体が凍りついた。
三歩後退、顔を見合わせ これから進むべき道を選択する・・・
「どうする ひとしさん? 進む?」
ちがこさんは 戻るとは言わない。
「進もう・・・」
ひとしさんも覚悟を決めた!!
週末に向けて ちがこさんは ルンルンだった

みなさんより 一日早い大型連休、

ガイドブックには 綺麗な

それに反して 書かれている記事は 谷川岳の恐ろしい歴史・・・

すべて本当のことであろうが ちがこさんの頭の中は

「天気予報は


という言葉も聞こえていないらしい・・・(

「

計画、コースはバッチリだから ちょびっとの雨なんて へっちゃら! へっちゃら

土合橋の横にある駐車場に到着、そこは もちろん天気予報通りの雨・・・

はぁー? 雨?

ぶほぉぉぉぉーーーー・・・
なんで雨なわけぇー?(

って ひとしさんが 雨っていってたじゃん!
聞いてなかったの ちがこさん?(

た、確か 雨っていってました・・・(

はぁぁぁ・・・・
山の上は ガスガスであ~る。
台風一過で お天気上々、ピーカンの空の下


どうやら 選択する山を間違えた ちがこさんであった・・・
計画では、
日本三大急登と呼ばれる 西黒尾根を ウガウガ がんばって登る

トマノ耳、オキノ耳を ご機嫌に通過し、気持ちのよい尾根を歩き 蓬ヒュッテまで!
いわゆる 湯檜曽川源流をU字型に囲む山々を縦走する 【馬蹄型】と呼ばれるコースであ~る。
ところが この雨じゃぁ、険しい西黒尾根などもってのほか!
ひとしさん、今にも 山行中止命令を出しそうな勢い・・・
納得いかない ちがこさん。(

「だってぇー、蓬ヒュッテに宿泊 お願いしちゃったしぃ~、西黒尾根がダメなら ロープウェイで ぴゅっと天神尾根に出ればいいじゃん! 時間もはしょれるし、カッパ山行でもいいもん

あまり のり気でない ひとしさんを ひきずって ロープウェイに乗り込む。
風が強く ロープウェイは 左右に振られ 雨が窓を流れていく・・・
ふと横を見れば、蒼白の顔で 固まっている ひとしさんがいた。
そう・・・
ブラブラ揺れる ロープウェイが怖いのだ!(

乗り合わせている 若いパーティーたちは 楽しそうに会話しているのに ひとしさんときたら 手を握り締め 口をへの字にして動かない。
『ひとしさぁ~ん、紅葉綺麗だよぉー♪ あ~っ! 滝みたいのもあるぅ~!』
ノーテンキな ちがこさんは ロープウェイの窓に張り付き きゃぁー きゃぁー 大喜びしてる。
『怖くない、怖くない、ロープウェイは 二本の手で がっちりワイヤーをつかんでいるんだから 落ちるわけがない。ナンマイダァー ナンマイダァー・・・

無事 天神平に到着。(

さてと ここからが勝負であ~る。
そぼふる雨、カッパを着込み いざ出陣!(よっしゃ

天神山は なぜだかそれほど天気が悪くない。
雨は しょぼしょぼしているものの空は明るい・・・

さっそくスキー場のゲレンデを巻いて山頂に向かう ひとちが。
天候を気にして 天神尾根を谷川岳の山頂に直に向かえばいいものを 回り道してまで 端っこのお山から歩く所がオバカであった。(

40分ほどかかって天神山の山頂にぃー♪(うひ!)
お♪ お♪ お♪なかなか景色もよろしい!
しかぁ~し、天神尾根の先の谷川岳の山頂方向には 怪しい雲が ドヨヨ~ンとかかっている・・・(あ~ぁ

はい、はい!
先に進みますよぉー


整備されたトラバースの木道を下る。
でもって またもや登る・・・

熊穴沢非難小屋に到着、無人小屋だが綺麗な小屋であ~る。
お腹もペコペコ、この先 進むべき道を考えると 今食べておかなければ食事もとれない可能性大!(そう! そう!)
快適な小屋で 人目も気にせずパンを むしゃむしゃ。
お腹もとりあえずいっぱいになったことだし、先に進もうと小屋から一歩でたとたん スゴイ風と雨・・・(

うげぇぇーーー・・・
こんなでもいくんかいなぁー・・・

心の中で さっきロープウェイで払った 二人分の乗車賃が無駄になると ケチ根性丸出し!
も、もちろん 行きますとも!(やっぱし

ガスの中に時折

この雨でも登山者がいるから ちょびっと安心

天狗の留まり場付近からは 更に風と雨が強くなる・・・
まるで 谷川岳が ひとちがを これでもかぁーっ と 歓迎してくれるような ひどい天気。(

飛ばされそうになりながら 肩の小屋から トマノ耳に・・・
うげぇぇぇぇーーーーっ!!
す、凄すぎます なんじゃこの風わぁーーーーーーっ!!
いつもじゃぁ、百円均一のデジカメの三脚で 人の手を借りることなく 上手に記念撮影をするのだが

とほほほほ・・・
写真はなしですかぁ・・・


おっ♪ ラッキー

登山者がいたぞぉー

中型のザックのお尻に クルクルと銀マットを縛り付けた ちょいと コチャプなお兄さん。
「すみませぇ~ん、シャッター押してもらっていいですかぁー?」
にこやかに お兄さんは写真撮影に協力してくれた。
「撮りますよ!」
カシャ
その瞬間 も、猛烈な風・・・
うがぁぁぁぁーーーーーっ!!
山頂のポールに 必死で しがみつく ひとちが。
今 手を離したら 後ろの崖っぷちから滑落?
ガスで 自分達が どのような場所に立っているのかさえ 確認できない状況下。
ゴクリと唾を飲む。
「あ、ありがとうございました・・・ で、どこまで行かれるんですか?」
お礼ついでに聞いてみた。
「どこまで行こうか迷ってます。」

迷ってるって 決めてないわけ?
コチャプなお兄さん、地図を持っている様子もない・・・
大丈夫かいな・・・
他の登山者は Uターンして天神尾根を帰っていく。(み~んな帰っちゃった・・・

残されたのは ひとちがと コチャプなお兄さんのみ・・・
お兄さんは先を行く、やっぱし 行くっきゃないわけね・・・(

地図を見てコースを確認できたのは これが最後であった。
あまりの風の強さと雨のため地図を広げることができなかったのであ~る。
双耳峰のかたわれ、オキノ耳に到着。(よっしゃ

ここもまた スゴイ風と雨・・・
展望も

半泣き状態で更に進む・・・
オキノ耳のすぐ近く、奥の院には なぁ~んと富士浅間さんを祀った祠があるのだ!
富士山の根っこに住む ひとちがとしては 富士浅間さんとは 切っても切れぬ縁があるゆえ 手を合わさずにはいられない

のんびりはしていられません。
天気は益々悪化、無事 今日の宿泊地である 蓬峠まで なんとか歩かねば!
祠の横を通過しようと回りこんだ瞬間、目を疑った・・・(

ガスと激しい雨の中に浮かび上がった 濡れた長い鎖が下がる蛇紋岩・・・
一瞬 体が凍りついた。
三歩後退、顔を見合わせ これから進むべき道を選択する・・・
「どうする ひとしさん? 進む?」
ちがこさんは 戻るとは言わない。
「進もう・・・」
ひとしさんも覚悟を決めた!!(エライぞ! ひとしさん!)
引き返すなら 今しかない。
しかし、危険と承知で前に進む。(

雨で濡れた鎖は イボイボつきの軍手でも滑る。
ここで手を離したら・・・・

頭の中で 滑落していく自分を想像すると恐ろしい。
先頭を行く ちがこさんは 振り返って ひとしさんを じっと見た。
「 いっくよぉー!! 」
岩は雨に濡れ ツルツルと足場も悪い、鎖に頼りたいところだが 腕力に自信のない ちがこさんである、必死に岩の隙間に山靴をひっかけ滑りそうになるのを耐えながら下っていった・・・

一ノ倉の断崖絶壁を進む。
ともかく怖い

ガスで 足元しか見えないわけだから 断崖絶壁がどのようなものかも確認できないのが恐怖を倍増させる。(

そして ひたすら風と雨に耐え忍ぶしかないのだ!
そして 前に向って進むことしかできないのだ!
最大の難所、ノゾキ。
心臓が バクバクして止まらない、断崖から 恐々覗いてみる。
ゴクリと唾を飲む。
大きく風が吹きぬける尾根は 細くキレた恐ろしいものだった・・・



ようやく茂倉岳に出た。(

笹原の稜線が続く。
難所は無事通過できたとはいえ 油断はできない、笹尾根でも風の強さは変わることがないのだから・・・(

雨は氷に変わった。
ゴーゴーと音をたてながら 真横に風が吹く。
同時に 米粒くらいの大きさの氷が カッパの帽子から出ている顔を直撃する。
「痛い 痛い 顔が痛いです・・・

後方で ひとしさんが 大声で叫んでいる。
いつもなら ひとしさんの足音が聞こえる山行も 今日はカッパと 吹き荒れる嵐のために音では ひとしさんの無事が確認できない。
時々 振り返りながら ひとしさんが ちゃんと後ろにいるか確認する ちがこさん。
疲れと緊張と不安と恐怖で ひとしさんの 吐き気症状が始まった。
後方から 「げぼげぼ・・・ おえぇぇーーーっ

ここまでくるのに いったい いくつのピークを踏み、コブを いくつ越えたのか?
登っては下り、風と雨、そして氷に耐えながら 一歩一歩進んできた ひとちが。
そして武能岳。
展望のよいポイントだが 景色はガスしか見えない・・・

お腹がすいた

お天気など かまわずに雨と風の中で おむすびをパクつく。
笹原は続いた。
長い・・・
長すぎる・・・
お天気がよければ 美しい稜線を ご機嫌で山行できたはずなのに・・・(

やっとのことで 蓬峠に到着することができた。
笹原に建つ 可愛い黄色い小屋が見える。
蓬ヒュッテ♪
やったぁー!!
冒険の一日目は ここで終了だ。
そして 恐ろしい 荒れ狂う谷川岳の縦走は翌日も続く・・・
乞うご期待!!






Posted by ひとちが at 19:58│Comments(0)
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